インターネットイニシアティブ(IIJ)は、2008年1月21日から法人向けの移動体データ通信サービス「IIJモバイル」を始める。これは、NTTドコモの第3世代移動体通信(3G)およびHSDPA(high speed downlink packet access)回線とデータ通信用の端末(PCカードなど)を活用するMVNO(仮想移動体通信事業者)方式として参入するものであり、最大データ伝送速度は下りが3.6Mビット/秒、上りが384kビット/秒、サービス地域は全国となる。

 IIJモバイルの特徴の1つは、法人利用を想定した新しいデータ料金プランである。具体的には、定額プラン、パケットシェアプラン、接続シェアプランの3種類を用意した。

 定額プランは、文字通り固定料金で使い放題のサービス。1回線あたり8400円と、NTTドコモの提供サービスよりも割安にしたほか、プロトコルの制限なく使えるようにした。NTTドコモのサービスでは、ストリーミング・サービスが使えなかった。

 パケットシェアプランと接続シェアプランに関してIIJは、1ユーザーあたりのデータ量が少ない場合はパケットシェアプラン、通信データ量は多いが同時利用者が少ない場合は接続シェアプランが向くと説明している。パケットシェアプランでは、通信可能なパケットを「まとめ買い」し、契約ユーザー内の複数のユーザーでパケット料金をシェアするサービス。1回線あたりの料金は1800円で、データ料金部分は回線数などに応じた個別交渉とする。接続シェアプランでは、1契約あたりの通信量は無制限とする代わりに同時接続が可能なユーザー数の上限を設ける。1回線あたりの料金は3900円からとする。

 IIJが提供するサービスのもう1つの特徴がセキュリティ機能の強化である。例えば、接続元や接続先の限定、社内サーバーへのアクセス認証を制御するリモートアクセスVPNオプションを用意した。
 
 今後提供予定のサービスとしてIIJは、インターネットを介さない閉域網での利用や、同社の既存サービスとの連携などを挙げている。