米Oracleは米国時間1月16日に,米BEA Systemsを買収することで両社が最終合意に達したと発表した。取引は現金で行われ,OracleはBEAの全株式を1株当たり19.375ドルで買い取る。買収総額は約85億ドルにのぼる。昨年10月に初めて買収を提案した際の価格である17ドルから約14%引き上げたかたちだ。

 Oracleは2007年10月9日に,買収提案をBEA役員会に通知し(関連記事:【速報】米オラクル、約7800億円超で米BEAシステムズ買収を提案),1株当たり17ドル(総額67億ドル)で株式公開買付(TOB)を開始した。BEA役員会は「当社はOracleが示した価格よりはるかに価値がある」としてOracleの買収提案を拒否し,「Oracleを含む第三者と,1株当たり21ドルで交渉に応じる用意がある」との声明を10月25日に発表した(関連記事:BEA,「1株21ドルで買収交渉に応じる」と声明発表)。しかしOracleはこれを「考えられないほど高額だ」と批判し,1株17ドルの提案を変える意思がないことを告げた。一方のBEAも「何度も伝えたとおり,1株17ドルの提示額は受け入れがたい」と主張を譲らず,平行線のまま10月28日に交渉期限を迎え,OracleはBEA買収提案を撤回した(関連記事:OracleがBEA買収提案を撤回,「株主は適切な行動を」)。

 BEAの最大株主であるCarl Icahn氏はこの過程で,「1株当たり21ドルは交渉のためのテクニックではなく,経営者のエントレンチメント戦術としての価格だ」とBEA役員会を非難し,株主投票を実施するよう要請していた。BEAはこれに対し,「Oracleの提案を断ったのは,1株17ドルが著しく当社を過小評価した価格だったためで,身売りには反対しない」と説明した(関連記事:BEA役員会,筆頭株主の圧力に「身売りには反対しない」と明言)。

 ちなみに英メディアの報道(Reuters)によると,Icahn氏はOracleによる1株当たり19.375ドルの買収提案を支持することを表明している。

 BEA会長兼CEOのAlfred Chuang氏は,「過去数カ月にわたり,当社の売却について他社とも交渉するなど,当社役員会は株主の価値を最大限に高めるため複数の道を検討してきた。今回の合意は,思慮に富んだ入念なプロセスを経た結果であり,株主に最良の利益をもたらす決断だと確信している」と述べた。

 Oracle社長兼CFOのSafra Catz氏は,買収取引完了後初年の1株当たり利益(非GAAPベース)が1~2セント以上押し上げられると見込んでいる。

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