2008年1月16日,光伝送関連の総合展示会「ファイバーオプティクスEXPO 2008」の基調講演で,NTT東日本のネットワーク事業推進本部長である大木一夫副社長が同社のNGN戦略について語った(写真1)。この中で,同氏は,3月に開始予定のNGN商用サービスのエリア展開や料金の考え方などについて,詳細を明らかにした(写真2)。
まず,商用サービスのエリア展開について述べた(写真3)。
フレッツやひかり電話のIP系サービスは,2008年3月の開始時点では,東京,神奈川,千葉,埼玉の一部エリアで開始する。これらのエリアは,フィールド・トライアルと同じだという。
同年第2四半期には,サービス・エリアを首都圏に拡大。具体的には,東京23区,横浜市,川崎市,千葉市,さいたま市へ展開する。
さらに同年第3四半期には県庁所在地レベルの都市にサービス・エリアを広げる。具体的には,札幌市,仙台市,新潟市などを挙げた。
その後,順次他の地域にもサービス・エリアを広げていき,遅くとも2010年度末までに,現在のBフレッツの全エリアにNGNを拡大するとした。この目標は以前公表しているが,同氏はさらに「可能なら前倒しして2009年度中には全エリアに展開する」という積極的な姿勢を見せた。
広域イーサネット・サービスについては,2008年3月のスタート時点では東京の一部だけで提供する。同年第3四半期には,政令指定都市や県庁所在地などの全国主要都市にサービス・エリアを拡大する。その後のエリア拡大は,ユーザーのニーズに合わせて展開していくという。
続いて,商用サービス開始時に予定しているネットワーク・サービスについて説明した(写真4)。
具体的なネットワーク・サービスとしては,(1)Bフレッツの既存サービスと同等のサービス,(2)QoSを利用した帯域保証型サービス,の二つでスタートする。
Bフレッツのサービスすべて(写真4の黒字の部分)を,NGNが継承するという。これらのサービスの料金は,現行のBフレッツと同一水準にする。一方,帯域保証型サービス(写真4の赤字の部分)については,追加料金を負担してもらう形になるという。ただし,広く使ってもらえるように,利用しやすい料金を設定したいとする。
広域イーサネット・サービスについては,現行の「ビジネスイーサ」は県内に閉じているが,NGNでは県間のサービスも提供する予定とした。
商用サービスを開始したあとにも,パートナーとの協力によって,NGNの基本コンセプトを生かした新しいサービスを創造していきたいと締めくくった(写真5)。