インテルは1月16日、記者説明会を開催し、2008年の計画を示した。前半には小型PC向けプラットフォーム「Menlow(開発コード名)」を投入、後半にはデジタル家電向けシステム・オン・チップ「Canmore(開発コード名)」を投入する。

 前半に投入するMenlowは「UMPC(ウルトラ・モバイルPC)」や「MID(モバイル・インターネット・デバイス)」と呼ばれる、現在のノートPCよりもさらに小型化させたPC機器に向けたプラットフォーム。プラットフォームに組み込むチップセットの製造プロセス・ルールには、インテルの最新プロセサと同じ45nmルールを採用する。また複数の機能を1つのチップに取り込むシステム・オン・チップ化を進めることで、小型化と消費電力の低減を狙う。「Menlowは従来の(ノート)PCの5分の1の面積、10倍の電力効率アップを実現する」と吉田和正共同社長は語る。

 後半に投入するCanmoreもMenlowと同様に45nmの製造プロセス・ルールを採用する。x86系命令セットに準ずるプロセサ・コアに加え、画像処理機能、メモリー・コントローラ、I/O機能などを1つのチップ内に統合する。省電力化や機器の小型化が見込めるので、デザイン性を追求する家電製品に向く。

 サーバーおよびデスクトップ向け主力プロセサである「Xeon」シリーズや「Core 2」シリーズについても新製品を投入する計画だ。新しいマイクロ・アーキテクチャ「Nehalem(開発コード名)」を採用し、処理性能の向上を図る。現在の主力プロセサに採用しているアーキテクチャは「Core」である。

 また、PC市場拡大に向けてソフト面での取り組みも進めていく。インテルは同日、Windows搭載PC向けのフリー・ソフト「アラカイネット」を発表した。いわゆる「アプリケーション・ランチャー」に近いソフトである。

 アラカイネットは主に高齢者の利用を想定している。Webブラウザやメール・ソフトの起動といった操作メニューの一覧性を追求し、文字を大きくして視認性を高めたという。キーボードに不慣れなユーザーでも操作しやすいように、タッチパネルでの利用を想定した画面形態を採用している。アラカイネットは専用のWebサイト(http://www.alakainet.com/)からダウンロードできる。インテルは以前から高齢者向けPC市場の開拓に取り組んでおり、アラカイネットはその活動の1つ。