ソフトバンク・グループが,ソフトバンクの携帯電話と同社のIP電話サービス「BBフォン」間の通話を定額とするサービスをテスト・マーケティング中であることが判明した。「ホワイトコール」というサービス名で,北海道と新潟,愛媛の地域限定で2007年12月19日から2008年3月31日にかけてキャンペーンを展開中だ。

 「全国展開については現時点では未定。状況を見ながら4月以降に検討する」(ソフトバンクモバイル)としている。同社の音声準定額サービス「ホワイトプラン」やウィルコムの音声定額サービスといった携帯間の定額サービスの契約者は確実に増えている。定額対象が固定電話に広がれば,契約数の伸びが加速しそうだ。

 ホワイトコールの詳細は以下の通り。ソフトバンク携帯電話のホワイトプラン向けの割引サービス「ホワイトコール」とBBフォン向けのオプション・サービス「ホワイトコール」を申し込むことで,あらかじめ指定した最大10台のソフトバンクモバイルの携帯電話から,すべてのBBフォンあての通話が24時間無料となる。さらにBBフォンからすべてのソフトバンクモバイルの携帯電話あての通話も24時間無料になる。申し込みに費用はかからない。ソフトバンク携帯電話とYahoo! BBに未加入のユーザーには,新規加入の際にキャッシュバックするキャンペーンも用意している。

 テスト・マーケティングとはいえ,「該当地域では1月15日からテレビCMも始まっている」(札幌市内のある量販店)とのことで力が入っている。北海道のあるソフトバンクショップでは「今月だけでも十件以上のユーザーが加入している」とおおむね好評のようだ。

 なお同社は2007年5月にも期間限定で「トークフリー」という名称でソフトバンク携帯電話とBBフォンの通話が24時間定額となるサービスをテスト・マーケティングした(関連記事)。ホワイトコールとトークフリーはサービス名称が異なるほかは,ほぼ同じサービス内容だ。ただトークフリーでは定額対象として登録できる携帯電話は5回線までだったが,ホワイトコールでは10回線に増えている。

 携帯と固定電話間の通話を定額にするサービスについては,ソフトバンク・グループのほかKDDIやウィルコムも法人向けに提供を計画している。KDDIは2月から,登録したau携帯電話間の通話を定額とする「ビジネス通話定額」の対象を,KDDI固定電話とau携帯電話間の通話にも拡大する。ウィルコムは2007年10月から,同社が提供する専用の固定回線をオフィスのPBXにつなぎ,PBXとウィルコムPHS網間の通話を定額にするサービス「W-VPN」を提供している(関連記事)。