発展途上国の子供1人ひとりに価格100ドルのLinuxノート・パソコン供給を目的とした非営利団体One Laptop per Child(OLPC)で最高技術責任者(CTO)を務めたMary Lou Jepsen氏が新興企業Pixel Qiを立ち上げた。75ドルのノート・パソコンの開発を目指すとしている。

 同社Webサイトによれば,Pixel Qiはそのほか,太陽光のもとでも判読可能な低コストで低消費電力のスクリーンを搭載した主流タイプのノート・パソコンや携帯電話,デジタルカメラの開発にも取り組む。

 米メディアの報道(New York Times)によると,同氏がOLPCを去ったのは2週間前のこと。OLPCでは,省電力で耐久性の高いハードウエア開発を率いていた。OLPCは開発途上国向けに「XO」ノート・パソコンの供給を2005年に開始したが,製造の遅延やコストの高騰などにより,その価格は推定200ドルに上がってしまった。

 Jepsen氏の説明によると,Pixel Qiは,XO以外の製品を開発するためにスピンアウトした会社だという。「さまざまな主要技術の利点を取り入れれば,次世代ハードウエアの価格を引き下げることが可能だ」(同氏)。OLPCには原価で製品を提供し,利益を見込んだサブシステムやデバイスなども市場に投入する予定。

[Pixel QiのWebサイト]