米レノボの試作機。3機種の中で最も液晶が大きい
米レノボの試作機。3機種の中で最も液晶が大きい
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中国のBeijing Huaqi Information Digital Technologyの試作機(右)。なお、台湾ギガバイト・テクノロジーが全く同形状の試作機(左)を展示していた。OEM供与を受けたものと考えられる
中国のBeijing Huaqi Information Digital Technologyの試作機(右)。なお、台湾ギガバイト・テクノロジーが全く同形状の試作機(左)を展示していた。OEM供与を受けたものと考えられる
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クラリオンの米国法人の試作機。カーナビゲーションシステムのメーカーらしく、ナビゲーション用途に使うことを想定している
クラリオンの米国法人の試作機。カーナビゲーションシステムのメーカーらしく、ナビゲーション用途に使うことを想定している
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 家電展示会「2008 International CES」では、米インテルが提唱する「Mobile Internet Device」(MID)に準拠した製品が展示されている。MIDは、フラッシュメモリー上に搭載した組み込み型のLinuxを利用することで、起動が高速、かつ300g程度と小型・軽量で持ち運びしやすい超小型PCだ。

 MIDはインテルが2007年4月に発表した、Linuxベースの超小型端末のコンセプト。米国時間の2008年1月7日に開催した、同社のポール・オッテリーニ社長兼CEOの基調講演でも、試作機を使って紹介している。

 MIDに似たコンセプトとして、同じくインテルが提唱する「UMPC」があるが、UMPCはWindowsを利用することを想定しているため、大きさや使い勝手は通常のノートパソコンに近い。MIDはUMPCよりもさらに小さく、その名の通り常時インターネットに接続できる何らかの通信機能を標準で備える。ただし、利用できる機能は、Webブラウザーや電子メールソフト、インスタントメッセンジャーなどに限られるという制約がある。

 米レノボや中国のBeijing Huaqi Information Digital Technology(ブランド名は愛国者またはaigo)、クラリオンの米国法人が、インテルの展示ブースや自社ブースで実機を展示。来場者は自由に触れることができる。いずれも2008年にインテルが投入する新しいプラットフォーム「Menlow」をベースとしている。

 米レノボの試作機は、携帯電話に似た方式のキーボードを画面右側に備える。形状としては、ゲーム機の「PSP」によく似ている。まず2008年中に中国市場で5000元(日本円で約7万5000円)前後で販売する計画だ。

 Beijing Huaqi Information Digital Technologyの試作機は、ウィルコムのPHS端末「W-ZERO3[es]」のようにフルキーボードがスライド式に飛び出る形状。こちらも中国市場への投入が先行する。

 最後のクラリオン「MiND (Mobile Internet Navigation Device)」は、キーボードがないタイプで、まず米国市場に投入する。唯一仕様を明らかにしており、5.2型のWVGA(800×480ドット)液晶、256MBのメモリー、データ格納用の4GBのフラッシュメモリー、無線LAN機能を搭載する。携帯電話やモバイルWiMAXにも対応する予定だ。

 筆者は各ブースで3機種とも実際に触ってみた。それぞれ異なるGUIを採用しているものの、概して操作性が簡便で、かつMenlowの効果なのか、動作が機敏だった。