映像ごとに、登場人物の顔を一覧表示する
映像ごとに、登場人物の顔を一覧表示する
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 NECは2008年1月10日、映像に登場する人物の顔を解析し、登場人物ごとに映像を分類する技術を開発したと発表した。登場人物の一覧を視覚的に表示するため、ドラマの中でお気に入りの俳優が出演している場面を見る、といったことが簡単にできるようになる。動画投稿サイトや家庭用のハードディスクレコーダーなどへの利用が考えられる。自社製品での活用だけでなく、他社へのライセンス提供も含めて応用の可能性を探る。

 この技術の特徴は、同一人物の顔を高精度でグループ化できること。同じ人物の顔でも、表情や顔の向き、照明の状態などによって、映り方はかなり変化する。時間的に連続して登場する同一人物の顔は比較的似ていることが多い点に着目し、人物ごとに映像をグループ化するという。さらに各グループの中から正面を向いている顔を抽出し、それらの類似度を比較。似ているものがあればグループ同士を一つにまとめることで、同じ人物を別の人物として判断してしまうミスを減らす。同社のテストでは、80%ほどの精度で同一人物の顔を検出できたという。

 デジタルビデオカメラや動画投稿サイトの普及により、映像コンテンツの数は増える一方。文字で説明を加えることで求める映像にたどり着きやすくする手法が用いられているが、文字情報の付与には限界がある。今回の新技術を用いることで、ユーザーが所望の映像コンテンツにたどり着きやすくなるという。