「2008 International CES」の米Microsoftブースで最もにぎわっているのが,同社が開発中のテーブル型タッチ・コンピュータ「Microsoft Surface」だ。テーブルにタッチ・パネルが加わると何ができるようになるのか。同社のデモを動画で見ながら説明しよう。
まずはSurfaceの基本的な仕組みである。Surface(写真1)は,背面投影(リアプロジェクション)型で大きさが30型のディスプレイを備えたWindows Vistaパソコンで,ディスプレイ裏側に,ユーザーの指の動きや各種デバイス(筆などの道具や2次元バーコードのようなタグ)を監視する5台のカメラが据え付けられている。感圧型や電磁誘導型のタッチパネルではなく,正に「ガラス製のテーブル」である。デモでもワイン・グラスや携帯電話機,デジタル・カメラなどを気にせずにディスプレイ上に置いていた。
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写真1●背面投影型のディスプレイの裏側に,指の動きを監視するカメラが5台搭載されているSurface [画像のクリックで拡大表示] |
Surfaceの特徴は,マルチ・ユーザーでの使用を想定していることだ。動画1のように,一度に何人もの指が触れて動いたとしても,その結果(動画1でいうと水面の動き)がすべての入力に反応する。
動画1●画面に表示された水面に触れると,水が波立つデモ
動画2は,指の替わりに筆を使って,絵を描いているデモである。これも動画1と同じように,複数ユーザーによる入力に対応している。感圧型ではないのに,筆の動きの強弱に合わせて線が描画されているのが印象的である。
動画2●筆を使って絵を描くデモ
動画3は,Surfaceで写真アプリケーションを使ったところ。説明員がICカードをディスプレイにかざすと,オンライン上のストレージ・サービスや写真共有サービスなどにログインして,写真がダウンロードされる(というイメージのデモである)。Surfaceには様々なセンサーが内蔵されており,RFIDタグや無線LANデバイスとのデータのやり取りも可能だ。
動画3●Surfaceの写真アプリケーション
写真のズーム・インやズーム・アウトは,2本の指を近づけたり(ズーム・イン),離したり(ズーム・アウト)すると行われる。この辺りはiPhoneとある意味共通で,タッチ・インタフェースの標準的な動きになりそうだ。
動画4は,携帯電話機とSurfaceを無線で連携させるデモだ。携帯電話機をSurfaceに置くと,携帯電話機のコンタクト・リスト(連絡先)がユーザーの写真つきでSurface上に展開される。ここでは,ユーザーがSurface上のデータ(ここでは着信音ファイル)を顔写真にドラッグ&ドロップすると,その人専用の着信音が設定されるという操作が行われている。
動画4●Surfaceと携帯電話機の連携
Surfaceは2008年内に製品化される予定で,まずはレストランなどの商業施設向けに販売されるという。
■変更履歴 動画4を追加しました。 [2008/01/11 11:10] |