富士通は1月9日、航空機部品の張り付けに適した64Kバイトという大容量メモリーを備える無線ICタグを開発したと発表した。08年第1四半期中に量産を開始する。米ボーイングが次世代機「787型」に使う部品に対して、サプライヤに張り付けを求めているICタグの仕様に合わせて開発した。今後数年で、数十万個の需要を見込む。

 ボーイングがICタグを使う狙いは、航空会社の保守部品などとして潜り込むことがある偽造部品を見つけることと、部品の保守・修理履歴を効率的に管理することである。保守・修理履歴を、ネットワーク環境が充実していない発展途上国などでも参照・更新できるように、ICタグに大容量メモリーを求めた。

 富士通が開発したICタグは、UHF帯対応でGen 2準拠。メモリーとして、高速書き込みが可能なFRAMを採用する。サイズは50.8×25.4×6.22mmである。

 ボーイングはすでに、米インテレフレックス製のICタグの採用を表明しているが、メモリー容量がボーイングが求めていたサイズの8分の1である8Kバイトしかない。富士通は、メモリー容量の大きさや書き込み性能の高速さを売りにして、ボーイングに採用を働きかけ、部品メーカーに売り込みたい考えである。