米CAは米国時間の1月9日,2008年のオンライン攻撃に関する予測分析を発表した。それによると,オンライン・ゲームやSNSのほか,米大統領選挙,夏期オリンピック開催といった注目度の高いイベントがサイバー攻撃のターゲットになりやすいという。大統領選や北京オリンピックに乗じて,大規模な攻撃,情報の改ざん,機密情報の盗難が発生する可能性がある。

 同社はまた,2008年における主な懸念として,ボットネットの急拡大を挙げる。攻撃者はボットネットを広める手段としてインスタント・メッセージングを多用するようになり,ボットネットに感染するコンピュータの数は急激に増加するとしている。

 不正なプログラム(マルウエア)の手口もいっそう巧妙化する。仮想化コンピュータを狙い,ステガノグラフィ技術や暗号化技術を用いて自身の行動を隠ぺいする。

 パソコンのセキュリティ対策よりも性能の強化を重視するゲーム・ユーザーは,以前からオンライン攻撃者のかっこうのターゲットとなっている。インターネット犯罪者の一番の目当てはゲーム・ユーザーの機密情報だが,2008年は仮想マネーも実世界の金銭と同じ価値を持つようになる。

 SNSは,対象に特定しやすいユーザーや,コンピュータ・セキュリティに比較的関心の低いユーザーが大勢集まっている点で,攻撃される可能性が高まっている。

 また同社は,2007年のセキュリティ問題についてまとめた調査結果も明らかにした。2007年は初めてスパイウエアの検出件数がトロイの木馬を上回った。検出されたマルウエア全体のうち,不正なスパイウエアは52%,トロイの木馬は32%,ワームは9%,ウイルスは2%だった。

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