米Appleは英国時間の1月9日,同社のデジタル・コンテンツ配信サービス「iTunes」で英国向けに提供している楽曲の価格引き下げを発表した。今後6カ月以内に,他の欧州諸国と同じ価格(0.99ユーロ)に統一する。

 Appleはこれまで,英国における楽曲のダウンロード料金が他の欧州諸国と比べて高い理由を,同社がレコード会社に支払うライセンス料金が異なるため,と説明していた。同社は今後6カ月間に英国における楽曲の卸売価格を引き下げないレコード会社については,提携関係を見直すと述べている。

 iTunesでは消費者の居住国でしかコンテンツを購入できない仕組みになっており,英国の消費者がiTunesで楽曲を購入する場合,ユーロ圏13カ国と比べて値段が約10%高い。欧州委員会(EC)は昨年4月,このような価格設定は独占禁止法違反の疑いがあるとして,同社とレコード会社にに異議告知書(Statement of Objections)を送っていた(関連記事:EC,「iTunes」の音楽販売制限でAppleとレコード会社に異議告知書を送付)。

 独占禁止法違反が確定した場合,Appleは罰金を科せられる可能性があったが,ECは同日Appleによる価格是正の発表を受け,措置を取らないことを明らかにした。

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