写真1●書き込んだデータがオンライン・バックアップされるCruzer Titanium Plus
写真1●書き込んだデータがオンライン・バックアップされるCruzer Titanium Plus
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 米SanDiskはこのほど,書き込んだデータがすべてオンライン・ディスクに自動バックアップされるサービスを付属した容量4GバイトのUSBメモリー「Cruzer Titanium Plus」を発表した。同社は製品化に当たり,自社でサーバーを運用するのではなく,米AmazonのWebサービスを採用した。その理由をSanDisk会長兼CEOのEli Harari氏に聞いた。

 SanDiskが2008年1月2日(米国時間)に発表したCruzer Titanium Plus(写真1)は,2つのセキュリティ機能を備えたUSBメモリーだ。USBメモリーに書き込まれたデータはまず,128ビットのAES暗号を使って暗号化して書き込まれる。書き込まれたデータは同時に(書き込み時がオフラインだった場合は次回のネット接続時に),ネットワーク経由でオンライン・ストレージにバックアップされるが,その際に256ビットのAES暗号で暗号化される。そのため「USBメモリーを紛失したり盗まれても,データが失われる心配が無い」(SanDiskの会長兼CEOであるEli Harari氏)。

 Cruzer Titanium Plusがユニークなのは,米Amazonが提供する「Amazon Web Services」を使ってオンライン・バックアップ・サービスを構築している点だ。Cruzer Titanium PlusはSanDiskの製品(価格は59.99ドル)で,オンライン・バックアップ・サービスもSanDiskが提供するが(最初の半年は無料で,その後は1年当たり29.99ドル),SanDisk自身はバックアップ用のサーバーを運用していない。Amazonが運用しているオンライン・ストレージを利用する。

 AmazonのWebサービスを採用した理由についてHarari氏は「われわれはデバイス・メーカーであり,デバイスの製造に専念すべきで,巨大なサーバー環境を運用する必要は無い」と断言する。「AmazonのWebサービスは,十分な容量とセキュリティ機能,それに課金機能などを備えている。同社のWebサービスを使うことで,サービスを非常に迅速に導入できた」(Harari氏)。既存のWebサービスを組み合わせて新しいサービスを簡単に構築する「マッシュアップ」が,USBメモリーのような周辺機器の分野でも活用できることをSanDiskは示した格好だ。

 Harari氏は「フラッシュ・メモリーはこれまで,簡単に使えることと信頼できるデータの保管先であることを目指して,進歩してきた。これからは,より賢く,ネットワークに接続され,そしてセキュアな製品になる」と強調する。