中国キングソフトは2008年1月7日、中国においてマイクロソフトと提携することを発表した。提携内容は、キングソフトがOEM提供しているソフトに、マイクロソフトのメッセンジャーソフト「Windows Live Messenger」を同こんするというもの。キングソフトは、中国ソフトメーカーの雄ともいえる存在。中国では、オフィスソフト「WPS Office」やセキュリティソフト「インターネットセキュリティ(中国語名:金山毒覇)」のほか、中日英の3カ国語対応の辞書ソフト「金山詞覇」やオンラインゲームなどをリリースしている。今回の提携で、こういった各種ソフトのOEM版にWindows Live Messengerが付属することになる。

 マイクロソフトのメッセンジャーソフト(Windows Live Messenger、MSN Messenger)は、中国でのシェアは第2位。とはいうものの、第1位のメッセンジャーソフト「QQ」とは大きく差がついている状態だ。QQは中国でパソコンの普及をリードしたといわれるぐらい人気がある。マイクロソフトにとって、キングソフトはオフィスソフト分野ではライバルであるが、大きく差がついたメッセンジャーソフト分野でQQに追いつくために提携に至ったというわけだ。

 ただ、両者の提携がうまくいくかどうかは予測不可能な部分もある。中国では、ソフトに付属していて、望んでいないのにインストールされるソフトのことを「悪意のあるソフト」「ならずものソフト」などと呼ぶヘビーユーザーが多い。こういったソフトはよく思われていない風潮がある。実際、こういった「悪意のあるソフト」の開発企業に対して、訴訟を起こすユーザーもいる。キングソフトとマイクロソフトという大手ソフトメーカーということもあって、両社に対してユーザーが何らかのアクションを起こす可能性も十分あり得る。