松下電器産業AVCネットワークス社の坂本俊弘社長は1月7日(米国時間),「2008 International CES」で基調講演を行い,世界最大となる150型プラズマTVのほか,米Googleの「YouTube」や「Picasa」に対応したTVやデジタル・カメラなどを披露した。基調講演にはYouTube共同創業者のSteve Chen氏も現れ,大きな盛り上がりを見せた。

写真1●松下電器産業が公開した150型プラズマTV。動画が再生できる実機だ
写真1●松下電器産業が公開した150型プラズマTV。動画が再生できる実機だ
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 松下電器産業がCESで基調講演を行うのは,2004年の大坪文雄専務(当時)以来のこと。坂本氏は今回の基調講演で,事前から予告されていた世界最大150型のプラズマTVだけでなく,無線でHD(高精細)動画を転送する「WirelessHD」技術に対応したTVやHDカメラ,Googleの動画共有サービス「YouTube」に対応したTVや,本体に内蔵した無線LANを使ってGoogleのオンライン・アルバム・サービス「Picasa」に直接画像をアップロードできるデジタル・カメラなど,意欲的な新製品,新技術を次々と披露した。

 写真1が150型のプラズマTVだ。解像度はいわゆる「4K×2K(4096×2160ドット)」で,スーパーハイビジョン(次世代ハイビジョン)対応となる。同社が現在建設中のプラズマTV尼崎第二工場が完成すれば製品化が可能であり,「映画館以外に,個人向けにも販売する」(坂本氏)と宣言した。基調講演で公開したモデルは,実際に動画が再生できる実機である。

写真2●厚さが1インチ(約2.5センチ)を下回るプラズマTV
写真2●厚さが1インチ(約2.5センチ)を下回るプラズマTV
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 坂本氏は「2006年のCESで,当時世界最大の103型プラズマTVを公開した。同モデルはいまだに世界最大サイズだが,既に3000台が売れている」と,同社がプラズマTVの圧倒的なリーダーであることをアピール。「尼崎第二工場で製造する次世代プラズマTVは,同じ輝度でありながら,消費電力量が現在の半分になるほか,より薄く,より軽くなる」(坂本氏)と強調した(写真2)。

 坂本氏はこのほか,有線のHDMIと同様に無圧縮でHD動画を送信できる「WirelessHD」の製品化も表明。2009年に商用化する意向を示した。基調講演では,同社のHDカメラを使ってその場で撮影した基調講演の模様を,WirelessHDを使ってプラズマTVで再生するというデモも行ってみせた。坂本氏は「ビエラ・リンクにも対応しているので,WirelessHDで接続したHDカメラやデジタル・プレイヤは,テレビ用のリモコン1つで操作できる」と語る。

 基調講演のもう1つの目玉が,Googleとの提携だ(写真3)。松下とGoogleが協力して,松下のTVでYouTubeの動画が視聴できる機能を開発するほか(写真4),無線LANを搭載したデジタル・カメラ「LUMIX」から,Googleの「Picasa」に直接画像をアップロードできるようにすることなどが明らかになった。

写真3●PanasonicとYouTubeのロゴが掲げられた   写真4●TV単体で視聴するYouTubeのサービス
写真3●PanasonicとYouTubeのロゴが掲げられた
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