2008年8月に経営から退くため、今回が最後の基調講演となるビル・ゲイツ会長
2008年8月に経営から退くため、今回が最後の基調講演となるビル・ゲイツ会長
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タッチパネル技術を使った特定用途向けの製品「Surface」の最新バージョンを披露
タッチパネル技術を使った特定用途向けの製品「Surface」の最新バージョンを披露
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 米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長は2008年1月6日(米国時間)、家電展示会「2008 International CES」において基調講演を行った。冒頭、「CESにおける基調講演は今回が最後となるだろう」と発言。同氏は1994年に初めて登壇して以来、これまで計10回もの基調講演を行い、CESの恒例行事となっていた。今回は11回目となる。

 最後の基調講演で同氏が強調したのは、過去を振り返り「これまでのデジタル革命の10年は、間違いなく素晴らしいものだった」ということ。同社だけでなく何千ものパソコン関連メーカーが互いに協調したことで、デジタル革命は大成功に至ったと総括した。しかし革命はまだ始まったばかりであり、次の10年でも進化の歩みは鈍らないと述べた。「次の10年は、もっと人と人のつながりを大切にする方向で革命が進む。もちろんパソコンは、その中心にあり続ける」(ゲイツ会長)。

 2008年8月に経営の第一線から引退することが決まっているためか、次の10年については、「私は楽しみにしている」と述べるにとどまり、具体的にマイクロソフトが今後どう革命を起こしていくかについて多くを語ることはなかった。

 目新しいところでは、2007年5月に発表した「Surface」の最新バージョンのデモンストレーションを実施。Surfaceは、最新のタッチパネル技術により、手で直感的に操作できるOSとそれを組み込んだキオスク端末のシリーズ名だ。店舗やホテルなどでの利用を想定しており、最初の製品は机型をしている。ゲイツ会長は、両手を使って、スノーボードを自分好みにカスタマイズしていく様子を実演した。「キーボードやマウスに変わる、ごく自然なUI(ユーザーインタフェース)は今後欠かせないものになるだろう」とした。

 観衆が沸いたのは、ゲイツ会長がマイクロソフトを退社する日を空想した短編コメディ風のムービー。ハリウッドの著名な俳優やミュージシャン、次期大統領候補らなどがこぞって出演し、少々自虐的なゲイツ会長とかけあう内容で、会場全体が笑い声に包まれた。このムービーを含め、基調講演の様子は米マイクロソフトのWebサイト上で視聴できる。ただし、同社のWeb技術「Silverlight」を活用しているため、プラグインソフトをインストールする必要がある。