「対応製品が増えれば、部屋の中にあるAV機器やパソコン、大型テレビがすべてワイヤレスでつながるようになる」と語るWirelessHDのマーシャル代表
「対応製品が増えれば、部屋の中にあるAV機器やパソコン、大型テレビがすべてワイヤレスでつながるようになる」と語るWirelessHDのマーシャル代表
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代表的な利用例。最大10メートルまで接続可能なので、機器の設置場所の自由度も広がる
代表的な利用例。最大10メートルまで接続可能なので、機器の設置場所の自由度も広がる
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 米インテルなどが加盟する業界団体「WirelessHD」は2008年1月6日(米国時間)、家電展示会「2008 International CES」において報道陣向けの発表会を開催した。

 WirelessHDは2006年に設立。NEC、東芝、ソニー、松下電器産業などが参加しており、同名の無線通信技術の標準化を進めてきた。テレビとAV機器を接続するのに利用されている既存のHDMIをワイヤレス化した技術で、1月3日にようやく最初の規格として「WirelessHD 1.0」を策定したばかり。発表会では、技術の詳細やその優位性について説明が行われた。ジョン・マーシャル代表は「非圧縮のハイビジョン映像を送ることができる唯一の無線技術」とアピールした。

 WirelessHDは、ミリ波と呼ばれる極めて高周波(60GHz帯)の電波を用いる。転送速度は最大4Gビット/秒で、1920×1080ドットのハイビジョン映像を同時に複数送信できる。10メートル程度までの距離なら通信が可能だという。有線のHDMIでは機器同士は1対1でつなぐ必要があるが、無線のWireless HDの場合、離れた場所にある複数の機器同士をつなぐことも可能。例えばパソコンに収めた動画を、同時に2台の大型テレビに向けて送信するといった使い方もできる。映画などを送信することも考えられることから、著作権を保護したままデータを転送する「DTCP」をサポートしている。

 同団体に加盟する約40のメーカーは、急ピッチでWirelessHD製品の開発を進めており、早ければ2008年中にも対応製品が登場する見込み。CES会場でも複数のメーカーが各種試作機を展示している。