ハワード・ストリンガーCEOらが報道陣向け発表会に登場
ハワード・ストリンガーCEOらが報道陣向け発表会に登場
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Felicaのように、タッチして通信するデータ転送技術「TransferJet」
Felicaのように、タッチして通信するデータ転送技術「TransferJet」
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 ソニーは2008年1月6日(米国時間)、家電展示会「2008 International CES」において報道陣向けの発表会を開催。ハワード・ストリンガーCEOらが登壇し、ソニーの最新の製品戦略について紹介した。

 今回新たに開発していることを明らかにした技術の一つが、無線技術の「TransferJet」だ。通信距離は最大3センチメートル程度と短いものの、転送速度が最大560Mbps(実効では最大375Mbps)と、パソコンが実装している既存のインタフェースであるUSB 2.0よりも高速な点が特徴。周波数は日本ではUWB向けとして使われている4.48GHz帯を用いる。通信プロトコルはすべてソニーが独自に開発した。高精細な写真や動画を機器同士で転送するシーンでの利用を想定している。

 近距離をワイヤレスで高速に結んで動画などを転送する技術としては「WirelessHD」もある。ただTransferJetは、室内にある離れた機器同士ではなく、機器と機器を触れ合わせるほど近接させた環境下でピア・ツー・ピア通信を行うことを想定した技術だ。「駅の改札などで使われるFelicaのように、データを送りたい機器に対し、写真や動画を収めた機器を軽くタッチするように近づけるだけで気楽にデータ転送を始められる」(情報技術研究所通信研究部の小高健太郎統括部長)という。アドレスなど通信に必要な設定が不要で、タッチした直後には転送準備が整う。通信相手を制限するセキュリティ機能も用意する。出力が微弱なため、バッテリーへの影響も小さいという。

 CES会場では、対応チップとアンテナを内蔵した同社のパソコンやデジタルビデオカメラ、デジタルカメラなどの実機を用意。デジタルビデオカメラやデジタルカメラに収めた動画および写真を、パソコンや新世代DVDレコーダーに転送するデモを実施した。そう遠くない将来に、商用化する可能性がある。

■変更履歴
「TransferJet」の通信距離が3メートルという記述がありましたが、3センチメートルの誤りでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。[2008/1/7 19:00]