ソニーは,誘導電界を利用した新たな近接無線技術を開発し,「TransferJet」と名づけた(発表資料)。通信速度は560Mb/s(誤り訂正などを除く実効速度は375Mb/s)に達し,写真やHDTV映像のデータを高速転送できる。通信したい機器同士をかざすだけで通信を開始するもので,例えば,デジタルカメラをテレビにかざすと画像がテレビのディスプレイに表示されたり,携帯電話機に携帯型オーディオ端末をかざすと音楽ファイルが転送されるなど,様々な機器で利用できる。ソニーは,1月7日から開催のCESで参考展示する。

 今回ソニーは,誘導電界を用いたカプラを開発した。近距離では高い利得を得ながら,離れると急速に減衰するという特徴を持つという。このため,他の無線機器との干渉防止が容易となる。また,偏波を持たないので,かざす機器同士の角度を利用者が意識しなくても利得は落ちない。開発したシステムの中心周波数は4.48GHz,送信電力は-70dBm/MHz以下。通信距離は3cm以内を想定している。