米Time WarnerのWarner Bros.は,次世代光ディスク規格への対応を「Blu-Ray」に一本化する方針を明らかにした。同社の家庭向けエンターテインメント事業Warner Bros. Entertainmentでは,これまでBlu-Rayと「HD DVD」の双方をサポートしてきたが,2008年5月末をもってHD DVDフォーマットのDVDタイトルの販売を打ち切る。

 Warner Bros.会長兼CEO(最高経営責任者)のBarry Meyer氏は今回の決定を,「長期的な戦略的判断であり,消費者が求めるものを提供する最も直接的な手段」と述べている。

 親会社であるTime Warnerの社長兼CEOであるJeff Bewkes氏によると,従来の両規格サポートは,消費者の選択肢拡大,次世代DVDの普及促進,DVDハードウエアの価格引き下げを目的としていた。しかし,「いつまでも規格の混乱が続けば,高品位DVDの市場機会が失われてしまう。Blu-Rayのみを販売することは,大衆市場での成功の可能性を高め,最終的には販売事業者や映画製作者,そして消費者に恩恵をもたらすことになる」(Meyer氏)。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,Warner Bros.は米国のDVD販売で18~20%のシェアを占めているという。今回の同社の決定は,次世代DVD業界に大きな影響を与えることになる。

ちなみに,Blu-Rayを支持する映画会社には米Walt Disneyや米Twentieth Century Foxなどがある(関連記事:米Disney,次世代光ディスク規格「Blu-ray Disc」への支持を表明)。一方,HD DVD陣営には,米Paramount Pictures,米Universal Pictures,米New Line Cinemaなどが名を連ねている(関連記事:「米大手映画会社4社が次世代DVD規格『HD DVD』を支持」,東芝が発表)。

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