日本IBMは12月28日、ソースネクストとの間で係争中の訴訟で、一部和解に達したとして内容を公開した。訴訟は日本IBMのホーム・ページ作成ソフト「ホームページ・ビルダー(HPB)」のバージョン11の独占販売権に起因するもの。

 ソースネクストは日本IBMからHPBのバージョン11の独占販売権を得て、06年から量販店などに卸売り販売をしていた。ところが、他のベンダーがHPBのバージョン11を量販店などに出荷していたため、ソースネクストが「独占販売ではない」として07年4月、東京地方裁判所に訴訟を起こしていた。この点について、日本IBMは「該当するパッケージは他のベンダーが市場から調達したもので、当社が関知しないもの」(広報)としている。

 日本IBMは同社が独占販売権の期限としている07年9月末を過ぎても、ソースネクストがHPBのバージョン11の販売を継続したことを問題視。07年10月、日本IBMが東京地裁に販売差し止めの仮処分を求めて訴えていた。

 こうしたなか12月20日、両社で一部和解に至った。日本IBMは、(1)ソースネクストはHPBバージョン11の出荷を即時停止する、(2)同販売促進活動を即時停止する、(3)ソースネクストが、無権限で販売したHPBバージョン11のロイヤルティの相当額を日本IBMに支払う、の3点を12月28日に公表した。(3)の金額は1億4564万6755円である。

 ソースネクスト側はこれに先立つ12月25日、(3)の金額を「販売ロイヤルティとして支払う」、「日本IBMが販売差し止め請求を取り下げる」、といった和解内容を公表していた。ソースネクストは今回の日本IBMの文書に対し、「和解内容の一部を偏って抜粋しており遺憾である」(経営企画室)とした上で、「日本IBMは即時停止と記したが、当社が1億4564万6755円で追加発注した枠の中で出荷できる」(同)とコメントする。

 発端となったHPBバージョン11の独占販売権については、ソースネクストと日本IBMの間での訴訟は継続している。日本IBMは「07年10月以降の販売は無権限である」(広報)、ソースネクストは「今回の和解調書には追加発注した製品は『本件契約期間中に正規に販売権を購入したものと看做す』とある。無権限という表現は遺憾」(経営企画室)と平行線をたどっている。

■変更履歴
本文最後のソースネクストの発言を「そもそも無権限であるかどうかを争っている」から、「今回の和解調書には追加発注した製品は『本件契約期間中に正規に販売権を購入したものと看做す』とある。無権限という表現は遺憾」に訂正いたします。 [2007/12/28 20:20]