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LinuxディストリビューションCentOSの最新版「CentOS 5.1」が2007年12月2日に公開された(写真1)。
CentOSは,米Red Hat社が開発・提供している商用Linuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux」(以下,RHEL)のソース・コードを使用して開発されている,フリーのLinuxディストリビューションである。RHELのソース・コードから,商標などのRed Hatの知的財産物を取り除いて開発(再構築)されている。機能・性能は同等であり,RHEL用のアプリケーションの多くがCentOS上でも動作する。
ちなみに,CentOS5.1のベースとなったRHEL 5.1は,CentOS 5.1のリリース日から約1カ月前の2007年11月7日に公開されている(関連記事「米Red Hat社,Red Hat Enterprise Linux 5をマイナー・アップグレード」。
不具合修正と機能強化
今回公開されたCentOS 5.1では,前バージョンのCentOS 5で見つかったさまざまな不具合の修正が施されている。また,RHEL 5.1で変更された機能についてもCentOS 5.1で対応している。例えば,Itanium2(IA64アーキテクチャ)での仮想環境のサポートや,AMD-V環境での完全仮想化ゲストOSのサポート,「Kexec」や「Kdump」の設定ツールの追加(写真2),などである。さらに,データ容量が16Tバイトまでのファイル・システムを扱えるように強化された。
システム関連ソフトのバージョン
CentOS 5.1のカーネルはバージョン2.6.18が採用されている。glibc(Cライブラリ)にはバージョン2.5,gcc(コンパイラ)にはバージョン4.1.2が採用されている(写真3)。
サーバー関連ソフトのバージョン
サーバ関連のアプリケーションでは,Webサーバーの「Apache 2.2.3」,動的Webページを作成できるスクリプト言語の「PHP 5.1.6」(写真4),メール転送サーバーの「Sendmail 8.13.8」と「Postfix 2.3.3」,POPおよびIMAPサーバーの「Dovecot 1.0」などが利用できる(写真5)。
さらに,ネーム・サーバーの「BIND 9.3.3」,FTPサーバーの「vsftpd 2.0.5」,セキュアな通信を実現する「OpenSSL 0.9.8b」,キャッシュ・サーバーの「Squid 2.6.STABE6」(写真6),Windows互換のファイル共有サーバーの「Samba 2.0.25b」,プリント・サーバーの「CUPS 1.2.4」,ファイアウォールの「iptables 1.3.5」(写真7)なども利用可能だ。
デスクトップ関連ソフトのバージョン
デスクトップ関連のアプリケーションでは,X Window Systemの「X.Org X11 R7.1.1」,統合デスクトップ環境の「GNOME 2.16.0」(写真8)や「KDE 3.5.4」が利用できる。
インターネット向けおよびクライアント向けのアプリケーションでは,Webブラウザの「Firefox 1.5.0.12」,メール・クライアントの「Evolution 2.8.0」(写真9),オフィス・ソフトの「OpenOffice.org 2.0.4」(写真10)などが利用できる。
もちろん,CentOS5.1にはこのほかにも,数多くのアプリケーションが組み込まれている。より多くのソフトのバージョンを調べたい場合は,開発元のサイトを参照されたい。このサイト経由でダウンロードできる。インストール・ガイドはこちらから参照可能。