URLフィルタリング・ソフトを手がけるデジタルアーツは12月25日,2007年における有害サイトの動向トップ3を発表した。同社のフィルタリング用データを収集するエンジニア5名が挙げた動向のうち多かったのは,「暴力・猟奇描写の過激化」,「ワンクリック詐欺サイトの構造が複雑化」,「コミュニティに特化した隠語や略語利用の増加」だった。

 Webサイトにおける暴力・猟奇描写の過激化の具体的な動きとしては,よりリアルな画像を掲載するWebサイトや,動画を使ったWebサイトが増えてきたことを挙げる。一般のユーザーが利用する掲示板に,そのようなWebサイトへのリンクが書き込まれる事象もみられた。このようなジャンルのサイト数が増加するには至っていないものの,猟奇描写の過激化が進む危険性があるという。

 ワンクリック詐欺サイトは,サイトを作成するための画面素材が容易に入手できることから,より手口が巧妙化,複雑化し,アダルト・サイト以外にも広がっているという。例えば,スポーツ情報を扱う芸能人の交際報道をテーマにしたブログ形式のサイトを立ち上げ,そこにYouTubeなどの動画プレーヤに似せた画像を表示し,クリックを誘導。ユーザーがクリックすると,ファイルが転送中であるかのようなアニメーション画像を表示し,個人情報を取得しているかのように見せかけ,料金を請求するといった手口があった。

 また,サイトにおける隠語や略語が増加している。学校裏サイトが話題になったが,裏サイトは塾や部活動にも広がり,そのサイトでしか通用しない隠語や略語が使われているという。携帯電話や2ちゃんねるで使われている「DQN」や「KY」などはその一端である。こういった隠語や略語を使うことで,サーバー管理者がWebページを削除されないようにするのが狙いである。

 デジタルアーツはこの3つのほか,児童ポルノ・サイトや,若年層をターゲットにした懸賞サイトの増加も警告している。