国際レコード産業連盟(IFPI)は中国時間12月20日,同連盟のメンバーが中国Yahoo! Chinaを相手取って起こした著作権侵害訴訟の有罪判決に対するYahoo! Chinaの上訴を,中国北京の裁判所が棄却したと発表した。

 Yahoo! Chinaが提供するサービスにより,ユーザーはYahoo! ChinaのWebサイトを離れることなく海賊版の楽曲の検索,再生,ダウンロードが可能となっている。IFPIのメンバーは,Yahoo! Chinaのサービスが著作権侵害に当たるとして2007年1月に提訴。北京の第2中級裁判所は2007年4月24日にYahoo Chinaに対して有罪判決を下し,21万元(2万8400ドル)の罰金を科していた。これに対し,Yahoo Chinaは直ちに上訴を申し立てていた。

 Yahoo! Chinaのサービスは,2006年に施行された中国の新しい著作権法の下で違法だと判断された。中国のオンライン検索ベンダーBaidu(百度)に対する同じような訴訟は,以前の著作権法で裁かれており,Baiduのサービスがサードパーティのサイトにおける楽曲の違法な配信を支援したと認められたが,著作権の侵害に該当しないと判断された。

 IFPIは,海賊版の楽曲とユーザーを結びつけるYahoo! ChinaやBaiduの楽曲検索サービスは,中国の音楽市場の発展において大きな障害になっていると指摘。2006年における中国の音楽市場の総売上高は7600万ドルで,世界全体の1%にも満たないという。また,中国でダウンロードされる楽曲の99%以上が著作権を侵害するものであり,Yahoo! ChinaやBaiduのようなサービスはこの問題の大きな要因になっているとしている。

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