図1 新しくCGMコンテンツを利用してリニューアルした「Cara Carina(カーラ・カリーナ)」
図1 新しくCGMコンテンツを利用してリニューアルした「Cara Carina(カーラ・カリーナ)」
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図2 従来は編集コストが高く、なかなか収益に結びつかなかった
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図3 「マイページ」には自分が登録したアイテムがアイコンで一覧表示される
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図4 商品ページではその商品の価格などの基本情報と、他人が登録したコメントなどが見られる
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図5 女性スタッフが中心にリニューアル。左から八山純子氏、毛利文香氏、飯野陽子氏
図5 女性スタッフが中心にリニューアル。左から八山純子氏、毛利文香氏、飯野陽子氏
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 ソネットエンタテインメントは2007年12月20日、同社が運営する女性向けサイト「Cara Carina(カーラ・カリーナ)」を大幅リニューアルした(図1)。

 Cara Carinaは従来、コンテンツのほとんどを編集記事としており(図2)、「広告の面からも編集コストの面からも収益に限界があった」(ソネットエンタテインメントのポータルサービス事業部門メディアマーケティング部広告営業チームの八山純子氏)。今回は編集記事を2割程度に抑え、著名人のインタビューや著名人のお気に入りのアイテムを紹介するコンテンツを用意。残りは、ユーザーが商品と共にコメントを付け、それを公開できるサービスを用意した。その結果、8割以上を消費者が発信するCGMコンテンツが占めるようになった。

 無料で登録したユーザーは、自分の好みのアイテム、そのアイテムに合う「気分」、数行程度のコメントを付けて公開。自分専用のページにそれらのアイテムがどんどんたまり、アイコンが表示される(図3)。アイテムは「楽天市場」と「Amazon.co.jp」のAPIを利用しており、そこから選択できる。ほかにも、特定のURLを指定し、そのページ内の画像を選択したり、自分のパソコンにある画像ファイルをアップロードしたりして登録することも可能。選択できる気分は「今日も1日お疲れ様」「ダイエットに効く」「デート前に気分を盛り上げる」「人間関係で凹んだとき」など、具体的な気分を26種類用意する。

 自分の好きな物を登録するだけでなく、「なんか疲れたなあ、と思ったときなどその時の気分に合ったアイテムを簡単に探し出して購入することができる」(ソネットエンタテインメント メディアマーケティング部媒体制作チームの毛利文香氏)。製品ページでは、他人のコメントなどが一覧表示で見られる(図4)。製品ページにある楽天市場やAmazon.co.jpのリンクから購入可能だ。コメント欄は「あくまで一言にこだわった」(同社ポータルサービス事業部門サービス開発部開発チームの飯野陽子氏)。ブログを書いている女性はたくさんいるが、見るだけで書くことはしない女性も多いと見込んだためだという。そういった女性でも、ブログのように長い文章を書かなくて済むと思えば気軽に参加してもらえるためだ。

 他人が登録したアイテムなどは閲覧だけなら登録をしなくても見られ、「雑誌などに毎回のように登場する、他人のかばんやポーチの中身を見るような感覚のCGMを目指したい」(八山氏)という。

描いたプロファイルは「32歳、未婚、年収600万、一人暮らし、勤務地丸の内」

 リニューアル前のCara Carinaに比べ、今回はかなりそのターゲットを細かく絞り込んだ。描いたプロファイルは、未婚、32歳、メーカー勤務のプロジェクトリーダー、オフィスは丸ビル、年収600万、家族は自分以外に妹、神奈川県に実家があり、中目黒に一人暮らしする女性。「最初はかなり狭い範囲の人物像を“点”で想像し、そこから広げていくのが得策」(八山氏)と判断したためだ。周りに左右されない個性を持った30代女性が集まれば、それにあこがれる20代の女性も利用するようになると見込んでいる。スタッフもCara Carinaがターゲットにする女性と似たようなスタッフが担当。編集、営業、開発と女性スタッフが中心にリニューアルを手がけた(図5)。

 登録してもらうアイテムをCara Carinaでは「ちょこアゲアイテム」(ちょこっと上げるの略、自分自身や自分の気分を盛り上げるアイテム)と呼んでいる。ターゲットにしているユーザーは、頑張ったご褒美などにいつもよりちょっとぜいたくなビール、いつもよりちょっと高級なデザートを購入する傾向が高い。そういったアイテムをどんな気分のときに購入して効果があったかといったコメントと共に公開してもらう。

 ユーザーが購入した、もしくはこれから購入したいと考えているアイテムを登録するため、購買履歴を追うことができ、広告価値も高い。そのため、今後はターゲティング広告などで、より付加価値の高い広告にも力を入れていくという。APIを利用して登録するアイテムも、製品だけでなくホテルや旅行などの商材を追加することも検討中だ。

 女性向けのWebサイトは、大きく分けて「cafeglobe.com」のようなポータルサイトと「@コスメ」などの商品に特化したCGMメインの専門的なサイトがある。Cara Carinaではその中間的な新しいポジションを狙えるようなサイト作りを意識していきたいという。