写真●TIS営業推進本部営業企画部の砂山広行氏
写真●TIS営業推進本部営業企画部の砂山広行氏
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 「2007年のアンケート調査によると、スマートフォンを企業に導入する際の課題の24%がセキュリティとなっている」。TIS営業推進本部営業企画部の砂山広行氏はこのように語る。TISが自社のセミナー参加者に対して独自に実施した調査によると、05年にはスマートフォン導入への課題として「セキュリティ」を挙げたのは全体の10%だった。

 砂山氏は「調査から、ここ2年間で情報漏洩に対する危機意識が急速に高まっていることが分かる。このような状況でスマートフォンを企業に普及するにはセキュリティの強化が不可欠だ」と話す。一方、スマートフォンで利用したいアプリケーションとしては、05年には回答者の41%が、07年には40%がグループウエアを挙げており、「社外からスマートフォンを使ってグループウエアを利用したいというニーズは強い」(砂山氏)という。

 TISはこれらの需要を見込み、今年4月からスマートフォン向けに「SynCube」という名称のソリューションを提供している。SynCubeはローカルのスマートフォンに入っているデータを、遠隔操作で削除したり、パスワードを変更したりするといったシステム管理者向けのサービスと、Lotus NotesやMicrosoft Exchange Serverなどのグループウエアとの情報同期サービスの2つからなる。4月からの8カ月で「生損保や地方に拠点を持つ製造業などを中心に数10社へ導入した」(砂山氏)という。

 SynCubeが対応しているのはWindows MobileやSymbian OSを搭載しているスマートフォン端末。ソフトバンクのX01Tには対応していないが、08年1月には対応する予定だ。利用料金は1ユーザー当たり月額1800円(税別)で、契約時に1契約当たり5万円(税別)が必要。最小利用ユーザー数は10ユーザーからとなっている。

 対応しているグループウエアはLotus Notes 6.0以降とMicrosoft Exchange Server 2000、同2003。国産ベンダーのグループウエアへの対応について砂山氏は「現在はまだ検討している段階。コストが見合えうと判断すれば対応する」と話した。