KDDIの小野寺正代表取締役社長は,「KCP+」搭載機の開発に遅れがでていることを明らかにした。2007年12月19日に行われた定例会見で,KDDIの携帯電話機の販売状況に関する質問に対する回答の中で示した。

 KCP+は,基本アプリケーションに加えてミドルウェアを含めた携帯電話におけるソフトウエアのほぼ全域までソフトウエア共通化の範囲を拡大し,米QualcommのMSM7500と合わせ,KDDI統合プラットフォームとして携帯電話メーカーに提供することにより,携帯電話の新規開発におけるコストダウン,開発期間の短縮を実現しようというもの。元々の計画では,2007年12月以降に順次搭載機の発売を計画していた。詳細は明らかにしていないが,KCP+そのもののソフト開発にトラブルがあったという。出荷時期については,正式には決まっていないものの,2008年1月下旬になるのでは,という見通しを示した。

 販売状況について,小野寺社長は,「au買い方セレクト」についてはまったく問題はないとの考えを示した。「多くのユーザーにフルサポートコースを支持してもらっていること」「安心サポートのユーザー数が多い」という。さらに,「一部に端末の値段が上がるという誤解を与えたため,店頭に足を運んでもらうよう努力していること」「他社に先駆けて有機ELをサポートしており,そのきれいさを訴求することが大事」など指摘した。

 こうした説明の中で今の問題として品揃えを挙げ,KCP+搭載機の開発が遅れていることが大きな課題という。なお「KCP+の上で各種ソフトウエアを稼動させるときの問題ではなく,KCP+そのもののトラブルであり,今回限りの問題だ」という。

 この会見では,米GoogleのAndroidにも触れ,これからは「KCP+のような垂直型と,Androidのようなオープン型が2系列あるいは3系列並列する」という見方を示した。オープン型にはWindows Mobileも一つの候補だという。オープン型は,情報系やSNSなどには優位とした上で,ショッピングやオークション,有料のコンテンツビジネスには垂直型が合うという。