SAPジャパンは,SOA(サービス指向アーキテクチャ)のための基盤として,JEE 5(旧J2EE)の開発/実行環境と,Webサービスの住所録であるUDDIディレクトリを用意した。Java環境が「NetWeaver Composition Environment」(以下,NetWeaver CE),UDDIソフトが「Enterprise Service Repository」である。出荷は12月19日から。同社のSOA環境「NetWeaver」を補完するという位置付けだ。

 これまでも同社は,EAIツール群であるNetWeaverの製品の一機能として,Java開発/実行環境を提供してきていた。たとえば,中核ソフトであるNetWeaver Exchange Infrastructure(NetWeaver XI)では,同社が以前から提供してきたABAPと呼ぶ業務アプリケーション向けの開発/実行環境に加えて,Java開発/実行環境を含んでいた。Webポータル・ソフトなどのようにユーザー・インタフェースをかかわる部分では,Javaアプリケーションを積極的に採用していた。

 今回のNetWeaver CEは,その中からJava開発/実行環境を独立させて製品化したもの。JEE 5に対応し,EJBコンテナやServletコンテナ,各種ライブラリなどを備える。Java仮想マシン部分は,これまでは米Sun Microsystems製品を採用していたが,今回新たに自社で開発したという。

 NetWeaverの中核ソフトであるEAIツール「NetWeaver Exchange Infrastructure」(NetWeaver XI)の後継ソフトも新たに開発した。「NetWeaver Process Integration」(以下,NetWeaver PI)である。SOAPメッセージの信頼性を担保するWS-RMや,業務プロセスの設計/実行言語の新版であるBPEL 2.0,業務パフォーマンスの劣化などのイベントに応じてアクションを取る機能などを備えるという。なお,限定的に提供を開始した製品であり,一般向けの出荷はまだである。