日立製作所は12月19日,企業間商取引サイト「TWX-21」のサービスを強化し,通信を高速化する「Web-EDI Globalグローバル高速インターネットオプション」の提供を開始した。アカマイの通信高速化サービスを採用することにより,中国などの通信品質が良くない地域からでも,サービスを快適に利用できるようにした。

 TWX-21は,主に製造業をターゲットにした企業間取引のためのECサイト。日本企業を中心に約3万8800社が利用する。日立グループのほか,リコーやキヤノンなどが利用していることで知られる,企業間取引サイト最大手である。商品の受発注のほか,見積もりのやり取りや電子カタログ閲覧などのサービスを提供している。

 提供する通信高速化オプションは,アカマイが提供する,Webアプリケーション利用時の通信を高速化する「Webアプリケーション・アクセラレーター」を使ったサービス。ユーザーがTWX-21のサーバーにアクセスする通信を,アカマイのサーバーが中継。その際の中継路の通信を,アカマイの独自プロトコルに変換したり,中継ルートを通信の混雑状況を考慮して変更したりすることにより,高速化する。

 アカマイによると,このサービスを提供することで,中国・広州で11.4秒かかっていたインターネット上の通信が1.5秒に短縮された実績があるという。中国・上海では,13秒かかっていたログイン処理が3秒に短縮されるという。アカマイは中継サーバーを世界各国に設置しているため,同様の効果は中国以外でも見込める。

 日立は,中国製造業を中心に今後,国際間取引の需要が高まるとみてサービスの改善を目指す。アカマイのサービスは従量制であるため,TWX-21のサーバーを日本に設置したまま大きな設備投資をせずに通信品質を向上できると判断した。今後3年間で,3000社の利用を目標に掲げる。