日本公認会計士協会(JICPA)は12月17日、IT委員会研究報告「自動化された業務処理統制に関する評価手続き」の草案を公表した。卸売業者の購買と販売業務を例にとり、IT業務処理統制について説明した文書である。業務フロー図や業務記述書、RCM(リスク・コントロール・マトリックス)の例示が付属する。全15ページの文書である。

 「自動化された業務処理統制に関する評価手続き」では、会計や購買管理、販売管理システムを利用した場合に、業務プロセス上で発生するリスクやリスクに対する統制項目の例を挙げている。加えて、統制が有効に運用されているかを確認するための「運用評価手続き」についても評価項目を例示している。

 JICPAは今回発表した文書を、11月8日に公表した「ITに係る内部統制の枠組み~自動化された業務処理統制等と全般統制~(以下、ITに係る内部統制の枠組み)」を補完する文書としている。ITに係る内部統制の枠組みは「日本版SOX法対応向け」と明確には示していないものの、内部統制を考慮した記述があるため、日本版SOX法対応でも参考になりそうだ。ただしJICPAは「具体的な例示を幅広く提供することを目的としており、業務プロセスの設計を行うための実務上の最善の事例を提供するものではないことに留意する必要がある」と注意を促している。JICPAは2008年1月11日まで意見を募集する。