handsOut
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オープンタイプ 代表取締役 早川仁氏
オープンタイプ 代表取締役 早川仁氏
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handsOutを開発したオープンタイプ 椿真吾氏。
handsOutを開発したオープンタイプ 椿真吾氏。
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 オープンタイプは12月18日,PowerPointやWord,PDF,ODF文書を共有し閲覧できるサイト「handsOut」を公開した。Webブラウザ上でFlashにより軽快に文書を閲覧できる。利用は無料。

 「プレゼンやワープロのファイルは最初に表示されるまで時間がかかる。特にPDFファイルのURLをクリックして『しまった』という思いをしたことのある人は多いはず」(オープンタイプ 代表取締役 早川仁)。PowerPointやWordも,無償のビューワーが提供されているといはいえ,Microsoft Officeがインストールされていないパソコンで閲覧するにはソフトをインストールしなければならず,全てのOSに対応しているわけではない。

 handsOutは,Flashで閲覧できるようにPowerPointやWord,PDF,ODF(プレゼンテーションおよびワープロ)文書を変換することで,これらの文書をさまざまなOSで閲覧できるようにする。「オープンであることを重視している」(早川氏)。閲覧したユーザーがコメントを書き込める機能も持つ。またブログパーツも提供しており,ブログに文書を貼り付けることも可能。

 ユーザーがhandsOutにアップロードした文書だけでなく,インターネット上にある文書をFlashに変換することもできる。文書のURLを指定して変換するほか,インターネット上にある文書をキーワード検索して探し,変換することも可能。一度変換した文書は「Webキャッシュ」として蓄積され,誰でも閲覧できる。「ネット上に埋もれている知識を掘り起こすことができる」(早川氏)。

 プレゼンテーション資料を共有できるサービスとしては,米国の「SlideShare」がある。オープンタイプでは,日本国内での表示速度と日本語フォント対応の2点でhandsOutはSlideShareに勝っているとする。「SlideShareは米Amazon.comのストレージ・サービスS3を使用しており,米国では速いが,日本から閲覧する場合はHandsOutの方が速い」(早川氏)という。また,SlideShareではFlashに変換する際にフォントが限られており,表示が崩れる場合がある」(同)とする。

 1年後には50万ユーザー,3年後には300万ユーザーの利用を見込んでいる。「8月に開設したソースコード・ノウハウ共有サイト『codeなにがし』(関連記事)は現在のべ38万ユニーク・ユーザーで,月間9万ユーザー増えている。同じペースでいけば1年で50万ユーザーは達成できる。codeなにがしのユーザーがIT技術者に限られるのに比べ,handsOutの対象は一般ユーザーで,より広い」(早川氏)。

 ビジネス・モデルとしては,社内利用向けのパッケージ・ソフトウエア化や,サーバーにインストールしたアプライアンスとして販売することなどを検討している。「文書共有のほか,e-learningにも利用できる」(早川氏)。また,有料会員向けに追加サービスを提供することも計画しているという。

 オープンタイプの親会社テックスタイルは「群集の叡智」を事業コンセプトのひとつとして位置付けており,予測ポータルサイト「Prediction」(関連記事)などを開設している。

【訂正】
掲載当初「3年後には300ユーザーの利用を見込んでいる」と記述しておりましたが,正しくは「300万ユーザー」です。お詫びして訂正いたします。[2007.12.19]