オランダNXP Semiconductorsはオランダ時間の2007年12月13日,携帯電話機用USB充電器検出に向けたソリューション「ISP1704」と「ISP1601」を発表した(発表資料)。携帯電話機の充電時に,専用のUSB充電器,USBホスト充電器,汎用USBホストを検出し,それぞれ違いを認識する。現在,携帯電話機のUSB充電は中国で先行しており,今回のソリューションも中国で販売される携帯電話機に対して施行された規制に対応する。またUSB-IF(USB Implementers Forums)のBattery Charging Specification Rev1.0(充電仕様改定1.0版)に準拠するメカニズムを装備する。

 現行のUSB2.0は供給電流が最大500mAだが,充電仕様改定1.0版では大幅に強化される。具体的には,高電流充電器が最大1.8A,USBホスト/ハブ充電器が同1.5A,標準USBホスト/ハブが最大500mAであり,それぞれを明確に区別することを求めている。今回のISP1704は,世界で初めての充電器検出機能を統合した高速USB OTG ULPIトランシーバーだという。ISP1601も,世界初の専用USB充電器検出ICとする。

 発表資料によると,2007年9月にはOpen Mobile Terminal Platform(OMPT)フォーラムが,データおよび充電用の共通コネクターとしてマイクロUSBを採用することでメンバー企業が合意に達したという。また日本でも情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)が音頭をとって標準化を進めており,2010年度中までに標準規格を定める計画で,マイクロUSBが有力になっているという(日経エレクトロニクス2007年8月27日号特集「コンセントになる『USB』,ケータイ充電器が飛躍の契機に」参照)。