米Googleは米国時間12月13日,スパムおよびウイルス・メールの最近の傾向に関する調査結果を発表した。それによると,先ごろ同社が買収した電子メールのセキュリティ会社,米Postiniのデータセンターは2007年,過去最悪となる量のスパムおよびウイルス・メールを処理したという。同社が1日に遮断しているスパム・メールの数は約10億通にのぼる。

 主にこれはボットネットの増加によるものと同社は分析する。Postiniがボットネットの急増に注目し始めた2006年9月から,2007年10月にはスパム・メール数が263%増加し,過去最多となった。Postiniが遮断したスパム・メールは470億通にのぼり,容量に換算すると320テラバイトに及ぶ。

 また,スパマーの手口も巧妙化している。2007年の初めごろはスパムに画像を添付する手段が主流だったが,現在では減少し,代わってPDFファイルやドキュメント,スプレッドシートを添付する手口が増加している。さらには,マルチメディア・ファイルや音声ファイルを添付する手法も登場し,さまざまな手段を使ってスパム・フィルタを回避しようと試みている。

 ウイルス・メールについても同様に手口がますます巧妙になっている。それを顕著に表しているのが今年猛威を振るったワーム「Storm」で,常に変異を繰り返しながら拡散していくため,検出されにくい(関連記事:ブログ,掲示板,Webメールで感染する「Storm Worm」の亜種を確認)。

 同社は2008年についてもこの傾向が続くとみている。スパム・メール,ウイルス・メールともに件数自体はむしろ減少するものの,いっそう複雑化し,脅威が増大すると予測している。

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