中国のIT系メディア「天極網」の調査機関「天極データ調査センター」が、企業内でのソフトウエアの利用実態などに関する調査を発表した。

 その調査によると、中国内の中小企業では、「社内のすべてのソフトが正規版」と回答したのは、全体の29%と3割に満たない。「一部のソフトが海賊版」と答えた企業が44%で、「大部分のソフトが海賊版」が22%、「全てのソフトが海賊版」が5%となった。合計すれば、中小企業の7割以上が、何らかの海賊版ソフトを利用していることになる。

 ジャンル別に見ると、正規版の利用率が高いのは「セキュリティソフト」と「ERP・会計ソフト」などで、8割弱の中小企業が正規版を使っている。逆に「Windows」や「Officeソフト」などは、6割弱の中小企業しか正規版は使っておらず、海賊版しか使っていない企業も2割弱いるという。

 正規版ソフトを使わない理由(複数回答)として、全体の8割の中小企業が「正規版の価格が高すぎる」というのを挙げている。次に多い回答が「海賊版が安いから」(約4割の企業が回答)ということから、価格がやはり正規版の利用を妨げる最大の原因となっているようだ。調査ではこれ以外の理由としては、「海賊版の利用に関して社内で誰も調査していない」「正規版を買ってもサービスが悪い」などの理由が続いた。

 正規版の普及にはどんな条件が必要かという質問(複数回答)に対しては、「ソフトの価格が下がること」が、やはり最も多く「政府が海賊版に対して厳しい態度をとる」「政府が、版権意識を持たせるように教育活動に力を入れる」などの回答が上位にきた。

 多くの企業は海賊版が安いから使っているが、やはりアップデートやサポート、不具合、法的問題などには不安を感じているようだ。海賊版の利用で感じる不安は何かという質問(複数回答)に対しては、7割弱の企業が「アップグレードできないこと」と答えた。以下「技術サポートが受けられないこと」(約6割)「ソフトの動作で問題が起こること」(6割弱)「海賊版利用で違法性を指摘されること」(5割弱)と続き、「何も恐れていない」という企業は1割弱しかいなかった。