写真1:DivX Connectedのユーザー・インターフェイス
写真1:DivX Connectedのユーザー・インターフェイス
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写真2:左から,探偵事務所5に出演する加勢大周氏と夏生ゆうな氏,探偵事務所5プロデューサの大和田廣樹氏
写真2:左から,探偵事務所5に出演する加勢大周氏と夏生ゆうな氏,探偵事務所5プロデューサの大和田廣樹氏
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 米DivXは2007年12月13日,日本市場における事業方針説明会を開催した。テレビに接続したDVDプレイヤなどを使って,パソコンに蓄積されたコンテンツをネットワーク経由で再生する技術「DivX Connected」を披露したほか,DivXに対応した家電製品にネット映画「探偵事務所5シリーズ」をバンドルする計画などを明らかにしている。

 同社日本代表の大沢幸弘氏によれば,動画コーデック「DivX」に対応した家電製品が,日本市場でも急速に増加しているという。アイ・オー・データ機器やエプソン,東芝,パイオニア,ブルードット,日本ビクターなどがDivX対応のプレイヤを,ペンタックスがDivX形式で動画を撮影できるデジタル・カメラを販売しているほか,「アルパインやパイオニアなどのカーナビゲーション・システムでもDivX対応が増えている」(大沢氏)という。

 ゲーム機では,ソニー・コンピュータエンタテインメントの「PLAYSTATION 3」が,DivXへの対応を予定している。マイクロソフトの「Xbox 360」も,12月のアップデートでDivXの再生に対応した。ただしDivXの共同創業者でVice Presidentを務めるJerome Vashisht-Rota氏は,「Xbox 360のDivX対応は,マイクロソフトが独自に実装した,われわれにとっては『アンオフィシャル』なもの。われわれとしては,DivXに正式に対応することで,DRM機能や過去のバージョンの再生といった機能も実装してほしいと思っている」とコメントしている。

 今回DivXがデモを披露した「DivX Connected」は,DVDプレイヤなどのメーカーに対して提供する包括的なホーム・ネットワーク技術である。パソコンに蓄積された動画や静止画などのコンテンツのほか,オンライン動画共有サービス「Stage6」上のコンテンツなどをDVDプレイヤで再生するために必要となるネットワーク技術やユーザー・インターフェイス技術(写真1)などを,メーカーにOEM提供する。Vashisht-Rota氏は,「DivX Connectedの強みは,ユーザー・エクスペリエンス(ユーザー体験)。DivX Connectedを採用すれば,ユーザー・インタフェースなどをメーカーが作り込む必要がなくなる」と訴える。

 同社では日本でDivXを普及させるための活動も明らかにした。まずは,ヨドバシカメラと連携して,ヨドバシカメラの通販サイトでDivX対応製品を紹介する特設サイトを設置した。また,ネット映画「探偵事務所5シリーズ」を制作する映像探偵社と提携して(写真2),同シリーズをDivX対応プレイヤにバンドルできるようにしたという。大沢氏は「ハードウエアがDivXに対応していても,コンテンツが無ければユーザーはDivXを利用できない。今回,バンドル契約を結んだことで,DivX形式のコンテンツが記録されたCD/DVD-ROMを,プレイヤにバンドルして提供できるようになった」と語る。