マイクロソフトは2007年12月11日、2007 Office system用のService Pack 1(SP1)を、2007年12月12日に配布開始することを明らかにした。セキュリティを強化するほか、安定性や性能を向上する。

 SP1では、各アプリケーションについて、異常終了を発生させる原因となっていた問題のうち報告件数が多い順に5件を修正した。さらに、不具合も修正した。例えばWord 2007では印刷のオプション設定によって余分なページが印刷される問題、Excel 2007ではユーザーが作成した色を使った図形が正常に表示されない問題、Outlook 2007ではHTML形式のメールが正常に表示されない場合があるという問題を修正したという。修正点の詳細については、同社のサポートページで近日公開する。

 性能向上も図った。Access 2007でプロジェクトファイルを開く際や、Outlook 2007で大きなファイルを開く際の速度などが速くなったという。

 これ以外には、2006年11月のRTM(released to manufacturing;製造工程向けリリース)以降にリリースしたセキュリティや不具合修正などのプログラムも含む。IME 2007の不具合修正プログラム(KB938574)などがその一つである。

 WordやExcelなど、Officeファミリーのうちのクライアント製品に対するSP1のモジュールは、一つのファイルで提供する。すべてのアプリケーション用の修正プログラムをまとめたもので、これをインストールした後に新規にOfficeアプリケーションをインストールした場合も、SP1が適用された状態で利用できるという。なお従来は、各ユーザーの環境に合わせて、未インストールのモジュールだけをまとめた差分のイメージを提供する方法も用意していたが、今回のSP1では完全なインストールファイル(サイズは260MB)のみの提供となる。作業工数や、管理工数を低減するためという。

 クライアント製品以外に、サーバー製品用のモジュールも提供する。サーバー用は、各製品用のモジュールが個々に用意されている。

 SP1は、Windows XPの場合は「Microsoft Update」もしくは「Office Update」、Windows Vistaの場合は「Windows Update」経由でダウンロード可能。いずれにおいても、「重要な更新」の扱いで配布する。ただ、更新プログラムを自動的にインストールする「自動更新」での配布スケジュールについては現在調整中。「セキュリティ向上などのメリットがあるので個人ユーザーには自動更新で配信したいが、企業ユーザーにとっては既存システムとの互換性検証の期間が必要。これを考慮して調整を行っている」(インフォメーションワーカービジネス本部 オフィス製品 マーケティンググループの田中道明部長)。これ以外には、同社のWebサイト「ダウンロードセンター」でも公開するほか、2008年春以降にCD-ROMの送付サービス(実費が必要)も開始する予定だ。