図1 「北京オリンピック観戦ツアー」に当たったとする迷惑メールの文面例(米シマンテックの発表資料から引用)
図1 「北京オリンピック観戦ツアー」に当たったとする迷惑メールの文面例(米シマンテックの発表資料から引用)
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図2 有効なメールアドレスの調査を目的とした迷惑メールの例(米シマンテックの発表資料から引用)
図2 有効なメールアドレスの調査を目的とした迷惑メールの例(米シマンテックの発表資料から引用)
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 米シマンテックは2007年12月10日(米国時間)、2007年11月に同社が観測した迷惑メール(スパム)の動向などを公表した。それによると、観測したメールの72%は迷惑メールだったという。そのほか、2008年のオリンピックを題材にした迷惑メールや、有効なアドレスを調べるための大量の迷惑メールを確認した。

 シマンテックでは、世界中で4億5000万にのぼるメールボックス(メールアドレス)に送られてくるメールを調査している。調査によると、メール全体に占める迷惑メールの割合は増加傾向にあり、2007年11月には72%に達したという。「およそ4通に3通は、迷惑メールになっている」(シマンテック)。

 2008年夏に開催される「北京オリンピック」を題材にした迷惑メールが早くも確認されたことも、2007年11月のトピックスとして挙げている。その一例が、オリンピックの観戦チケットが当たったとする偽メール(図1)。迷惑メール送信者の目的は、個人情報などの収集だと考えられる。

 前回のオリンピックイヤーである2004年にも、オリンピック絡みの迷惑メールは多数出回った。今回も同様に、これから2008年夏にかけて、オリンピック関連の迷惑メールが出回るとシマンテックでは予想する。

 また、有効なメールアドレスを調べるための迷惑メールが多数出現したことも11月の特徴の一つ。迷惑メール送信者は、推測したアドレスあてに、件名や本文がない「空メール」を送信(図2)。メールサーバーからエラーメールが送られてこなかった場合には、そのアドレスは有効であると判断してリスト化。そのリストを販売したり、今後の迷惑メール送信に利用したりする。

 こういった手口は、有効なアドレスを調べるための常とう手段の一つだが、11月には特に多かったという。11月中、シマンテックの迷惑メール対策サービス/対策製品では、こういったタイプの迷惑メールを3500万通ブロックしたとしている。