マイクロソフトは12月11日、「2007 Windows Office system Service Pack 1(SP1)」の提供を12日から開始すると発表した。SP1では、セキュリティの向上や、アプリケーションの不具合修正といったプログラムを提供する。既に提供済みのセキュリティ・アップデートや、Hotfixを含んでいる。

 SP1では3つの改善ポイントがある。1つは「安定性の向上」だ。Windowsに付属している自動診断ソフト「Dr.Watson(ドクターワトソン)」が収集した、アプリケーションのクラッシュ原因の中で、トップ5に入る問題を修正した。ほかに、Word 2007で問題となっていた、「余分なページが印刷される」不具合や、Excel 2007で挙がっていた「Excel 2003で作成した図形の色が正常に表示されない」という不具合などを修正している。

 もう1つは、「パフォーマンスの向上」。Access 2007のプロジェクトファイルを開く速度や、Outlook 2007で巨大になったメールボックスを開く速度を改善した。Office IME 2007では、「文字が変換できない」「文字変換の精度が落ちる」「辞書が破損する」といった不具合を修正した。

 最後に、「セキュリティの強化」として、悪意のあるプログラムへの対策やプライバシー保護対策を実施した。

 SP1の提供方法は、主に、ネットワーク経由とCD-ROMの2種類を用意した。ネットワーク経由の場合、Windows XP向けにはMicrosoft UpdateもしくはOffice Updateで提供する。Vistaの場合は、Windows Updateを実行するとインストールできる。企業の検証期間を設けるために、しばらくの間は自動更新での提供はしない。自動更新でのSP1提供開始時期は未定だ。

 CD-ROMでの配布は早ければ2008年の3月から開始する。実費での送付サービスで、マイクロソフトのオーダーセンターで申し込んだ場合は、1050円で提供する予定である。

 なお、2007 Office system SP1から、企業向けの導入方法として提供していた「管理者インストールポイントからの展開」を廃止し、「ネットワークインストールポイントからの展開」に一本化した。従来は、サービスパック利用時にCD-ROMが必要だったり、インストールポイントに接続する必要があったりした。新しい方式では、ローカルインストールソース(MSOCache)を利用することで、この手間を低減したのが大きな違いだ。また、Officeアプリケーションをパソコンに新規インストールする際に、同時にSP1を適用できるように改善した。