オープンソースを法律面で支援する団体Software Freedom Law Center(SFLC)は,米Verizon CommunicationsがオープンソースUNIXユーティリティ・ソフトウエア「BusyBox」を利用する際ソフトウエア・ライセンスGNU General Public License(GPL)に違反したとして,米国時間12月6日にニューヨーク州南部の連邦地方裁判所に訴状を提出した。

 BusyBoxは組込システムに多く使われているソフトウエア・パッケージで,GPLv2のもとで公開されている。

 訴状によると,Verizonが光ファイバ・サービス「FiOS」に用いる顧客宅内向け無線ルータ「Actiontec MI424WR」はBusyBoxを実装しており,GPLにもとづいてBusyBoxのソースコードを顧客に開示する義務がある。しかし,VerizonはSFLCから通告を受けているにもかかわらず,その義務を遂行しないままルーターを配布しているという。

 SFLCは,Verizonに対して差止命令と損害賠償および訴訟費用の支払い命令を発するよう裁判所に求めている。

 ちなみにSFLCがBusyBox関連で訴訟を起こしたのは今回が4件目となる。これまでに米Monsoon Multimedia,米High Gain Antennas,米Xterasysが提訴されており,Monsoon Multimediaとは10月に和解に至っている(関連記事:オープンソース団体SFLC,GPL違反で今度は無線機器メーカー2社を提訴)。

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