日本銀行は12月5日、日銀と金融機関との間を結ぶ決済ネットに障害が発生したと発表した。日本銀行金融ネットワークシステム(日銀ネット)で、当座預金の振り替えや国債の売買などに利用されているものだ。

 障害が発生したのは5日早朝。日銀側にある1台のルーターにトラブルが発生し、午前9時のサービス開始までに復旧できなかった。これによって、全体の約15%にあたる87店舗の金融機関においた決済端末が利用できなくなった。ルーターを再起動することで午前10時10分に復旧したが、詳細の原因は現在のところ調査中。6日の営業に向け、サービス終了後に新品に交換するという。

 今回の障害について日銀は「金融機関にはご迷惑をおかけしたが、全体的に見て資金決済に大きな影響はなかった」(システム情報局)としている。1つが大量の決済はコンピュータを利用して別系統で取引している点。もう1つが、金融機関と端末との間を複数経路で接続していること。今回、影響を受けたのは昨年11月に導入した新システムのネットワークと端末。店舗によっては従来システムの端末も稼働している。また、ルーターは複数あり、新システムでも影響を受けない端末があった。