AB-101の本体で腹囲を測定しているところ
AB-101の本体で腹囲を測定しているところ
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インピーダンス計はへその上に置き、脂肪率や内臓脂肪レベルを測る
インピーダンス計はへその上に置き、脂肪率や内臓脂肪レベルを測る
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「21世紀は肥満に取り組む世紀だ」と話す谷田大輔社長
「21世紀は肥満に取り組む世紀だ」と話す谷田大輔社長
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 タニタは2007年12月5日、腹部の脂肪率や腹囲(へそ周り)などをあおむけに寝た姿勢で計測できる腹部脂肪計「AB-101」を発表した。身体に障害がある人など、これまで体脂肪の測定が難しかった人の健康管理を可能にするのが特徴。さらに、メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満が引き起こす高血糖・高血圧・高脂血症などの症状)の検診などでの活用も想定している。測定したデータはパソコンに取り込んで管理することが可能だ。

 AB-101は、アーチ型の本体と、電極を内蔵するインピーダンス計から成る。本体は、腹部の横幅を測定することで腹囲を割り出すための装置。腹囲は、測定時の巻き尺の位置や呼吸などによって変わりやすいが、腹部の横幅を基に算出することでこうしたブレを抑えられるという。

 インピーダンス計は、腹部に微量の電流を流して電気抵抗値を計測し、腹部の脂肪率や内臓脂肪の多さ(内臓脂肪レベル)を推定するもの。電気抵抗値を用いた計測器は既に商用化されているが、立った姿勢で測るものがほとんど。寝ている姿勢で、脂肪率や腹囲などを同時計測できる製品は、AB-101が世界初という。

 本体には、パソコンとの接続用にRS-232C端子を装備。測定した値を、パソコンに転送して管理できる。また検診施設など不特定多数の人が利用する目的のために、専用の管理ソフトウエアも開発中という。

 身体に不自由のある人のリハビリテーション施設などでの利用のほか、医療機関や検診施設や、スポーツクラブなどでの活用を見込む。中でも追い風になりそうなのが、2008年4月から健康保険組合などに義務付けられる特定健康診査だ。40歳以上74歳以下の保険加入者は、腹囲やBMI(体格指数)などを測定し、メタボリックシンドロームの危険性がないかどうか検診を受けなければならない。その検診の補助ツールとして、AB-101の売り込みを狙う。

 価格は29万4000円。初年度に300台、3年後に1000台の販売を計画している。