子供向けサイトの作成ノウハウを集めた「富士通 キッズコンテンツ作成ハンドブック」の基本編
子供向けサイトの作成ノウハウを集めた「富士通 キッズコンテンツ作成ハンドブック」の基本編
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子供のペルソナとして設定した仮想の人物「佐藤美咲」さんのプロフィール
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ペルソナマーケティングを適用して作成したコンテンツ「みんなで守ろう!世界の自然」
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富士通コーポレートブランド室担当部長の高橋宏祐氏
富士通コーポレートブランド室担当部長の高橋宏祐氏
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 富士通は2007年12月5日、子供向けのWebサイト(以下、子供向けサイト)を作成するためのノウハウを集めた「富士通 キッズコンテンツ作成ハンドブック」を策定、同日より同社のホームページ上で無償公開することを発表した。ハンドブックの読者層と考えているのは、子供向けのコンテンツ作成に取り組む企業や団体のWebサイト制作者。ハンドブックの公開により、良質な子供向けコンテンツが増えることと、富士通が取り組むユニバーサルデザインの普及や発展を目的としている。

 同社は2007年3月に子供向けサイトとして「富士通キッズ」を開設。今回公開したハンドブックは、富士通キッズを構築する中で得た子供向けサイト作成のポイントをまとめたもの。ハンドブックは基本編とペルソナマーケティング編の2冊に分かれる。

 基本編では、子供特有の行動などに配慮したコンテンツの実装方法を紹介している。富士通コーポレートブランド室担当部長の高橋宏祐氏によると「子供の場合、文字ばかりのコンテンツだと読まずに立ち去ってしまう。イラストやアニメーションを使ったり、3D空間を使って自分で情報を探させたりするといった工夫が必要だ」という。

 さらに「障害者なども含め、誰もが使いやすいコンテンツ」を作成できるように、ユニバーサルデザインやアクセシビリティ(アクセスの容易さ)への対応についても解説している。富士通キッズの場合、視覚障害者でも音声読み上げソフトを使ってコンテンツの内容を把握できるようにしたり、キーボードのみで操作できるようにしたりしている。

 ペルソナマーケティング編では、最近注目されているペルソナマーケティングという手法を子供向けサイトの構築に活用した事例をまとめている。ペルソナマーケティングでは、製品やサービスの利用者像(ペルソナ)を仮想の人物として具体的に定義する。最も重要で象徴的な顧客モデルを設定し、マーケティングデータとして使用する手法だ。

 子供向けサイトのペルソナとしては「子供」「保護者」「先生」を選定。インターネット上で公開されているアンケート結果、教科書等の書籍、独自に実施したインタビューの結果を基に各ペルソナに対して詳細なプロフィールを作成した。例えば、子供のペルソナでは小学5年生の佐藤美咲さんという仮想の人物を設定。主なプロフィールは「大手メーカー勤務の父と専業主婦の母、2つ下の妹の4人家族。明るく温厚でクラスの人気者。3歳の頃からピアノを習っている。家族共用のノートパソコンを利用」といった具合だ。