NHKと三菱電機は2007年12月5日,テレビ画面や映画スクリーンに表示された映像を撮影(再撮)した場所や時間などを特定できる電子透かし技術を開発したと発表した。電子透かし技術は,人の視覚では認識できないレベルで映像信号をわずかに変化させて,その映像を特定できる情報を埋め込む技術である(発表資料)。

 今回は,市販のカメラで撮影された場合でも,その映像信号から埋め込んだ透かし情報を検出できるのが特徴という。例えば画面やスクリーンを斜めから撮影した場合,あるいは画面の一部が欠落した場合でも検出が可能という。

 デジタルシネマ設備を有する映画館であれば,映画館ごとに個別の透かし情報を埋め込むことが可能になる。これにより,例えば再撮による海賊版が流出した場合,映像信号に埋め込まれた透かし情報から再撮が行われた映画館を特定でき,監視を強化するなどの対策強化につなげることが可能になる。また将来的には,放送信号にこの透かし情報を埋め込めば,テレビ番組が再撮された地域の特定が容易になる。