写真:参考出展した「行動モニタリングシステム」の画面
写真:参考出展した「行動モニタリングシステム」の画面
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 画像認識技術とRFID(無線ICタグ)を組み合わせ,不正侵入者を特定する――。NECは12月5日から開催している展示会「iEXPO 2007」で,開発中の認証システム「行動モニタリングシステム」を参考出展した。

 このシステムは,データセンターなど高いセキュリティ強度が要求される設備での利用を想定している。監視カメラでとらえた動画像を解析し,人物がどこにいるのか,どのような足取りかを2次元空間上で把握できるようにする(写真)。複数台の監視カメラによる画像を組み合わせて解析することで,特定のカメラで死角に入った人物も継続して追えることが特徴だ。

 これにRFIDによる入退室管理の仕組みを組み合わせる。これにより,個々人の認証レベルに応じた物理的なアクセス制御を実行する。例えば,Aエリアの進入だけが許可されている人物がBエリアに入りそうになった場合に,自動的にアラームを鳴らして警告する,といった用途が考えられる。もとより,RFIDを持たない人物の動きを検出できるので,認証済みの社員と一緒に不正侵入する,といったケースを特定しやすくなる。

 多くの設備では現在,警備員が監視カメラの画像を“人手”でチェックしている。だが人手には限界があり,見落とすおそれも否定できない。人物の動きを自動的に追うこのシステムで,警備の精度を高められるという。

 開発フェーズとしては検証段階に入りつつあり,画像認識の精度を高めることが現在のテーマ。NECは2008年度以降の実用化を目指して,実証実験を進めていく意向だ。