シスコの新社長に就任したオーバービーク氏
シスコの新社長に就任したオーバービーク氏
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 シスコは2007年12月5日、2008年の方針説明会を報道機関向けに開催した。今回の会見には、同11月に同社社長に着任したエザード・オーバービーク氏が登場した。オランダ出身の同氏は、富士通ICLやシーメンスなど欧州企業を経てシスコに入社した。シスコでは欧州地区を担当、中小企業向け市場の開拓などを手がけてきた。日本法人社長に就任後、公の場で挨拶するのは今回が初めてである。

 同氏はまず、「設立当初はルーターやスイッチを開発していたが、現在ではプラットフォームとしてのネットワークの提供に注力する企業へと移行中だ」と、知識の共有を図るためのソリューションを提供する会社へと変貌を図っているシスコの現状を解説した。意思決定までの時間を短縮するため、情報の共有のスピードも重視する。その具体例の1つが、大画面を利用するビデオ会議システム「テレプレゼンス」であり、ほかのコミュニケーション手段も含めて、事業の決定者と技術の決定者の溝を埋めて協力する架け橋になるとした。

 その上で、日本市場の優先項目として、通信事業者が力を入れる「NGN(次世代ネットワーク)」、そのネットワーク基盤上のサービスと位置づける「コラボレーションとユニファイド・コミュニケーション」、シスコとパートナー企業による「エコシステムの進化」、サービス事業者や大企業、中小企業、消費者向けといった「マーケット別進化の加速」、ビジョンに裏打ちされた「アーキテクチャのリーダーシップ」を挙げた。

 オーバービーク氏は「技術を使って生産性を向上させ、日本を次のレベルに引き上げるように支援したい」と説明会を締めくくった。