米Red Hatは米国時間12月4日,同社の企業向けLinuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」にリアルタイム拡張機能などを追加する分散コンピューティング用プラットフォーム「Red Hat Enterprise MRG(Messaging, Real Time and Grid)」を発表した。現在,ベータ版を同社Webサイトで公開している。2008年初めに正式版をリリースする予定。

 同製品は,Red Hatが11月に発表したRHEL普及促進戦略「Linux Automation」の一環として開発した。メッセージング・プロトコル「Advanced Message Queuing Protocol(AMQP)」の作業部会と協力し,初めてAMQPを実装した。トランザクションのレイテンシを最適化し,「他社のソリューションより100倍速いスループットを実現する」(同社)としている。

 また,ローカルのグリッドやリモートのグリッドをはじめ,米Amazonの仮想サーバー・サービス「Amazon EC2」やアイドル状態のワークステーションにわたる大規模演算処理のスケジュールを立てることが可能。米ウィスコンシン大学が開発したグリッド環境向けスケジューラ「Condor」を採用しており,スピードと可用性を高めつつ,効率的な処理を可能にする。
 
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