各社の審査員(前列)と、最終選考作品の開発者(後列)。後列中央が、「さいたん」を開発した越智氏
各社の審査員(前列)と、最終選考作品の開発者(後列)。後列中央が、「さいたん」を開発した越智氏
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選考会の様子。開発者が、審査員の前でプレゼンテーションを行った
選考会の様子。開発者が、審査員の前でプレゼンテーションを行った
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「さいたん」のSideShowガジェット。ユーザーはここで語句の検索を実行
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語句の検索結果をSideShowデバイスで表示する
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「でんごんメモピー」で家族のメモを表示させたところ
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「SideView」で、Windowsパソコンで起動中のアプリケーションを拡大表示
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 フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは2007年12月4日、「Windows SideShowガジェット・アプリケーション・プログラム開発コンテスト」の最終選考会を開催した。Windows SideShowとは、周辺機器などが備える小型のディスプレイにパソコン内の情報を表示する、Windows Vistaの新機能。審査の結果最優秀賞を獲得したのは、越智佳景氏が開発した「さいたん(最短)」。パソコンで検索した辞書情報を、SideShow対応機器で手軽に確認できるようにするアプリケーションだ。

 SideShowは、Vistaパソコンにインストールされた小規模アプリケーション(SideShowガジェット)と、SideShow対応機器(SideShowデバイス)の組み合わせで機能する。SideShowガジェットが集めた情報をSideShowデバイスに送り、そのデバイスのディスプレイに表示する仕組みだ。SideShowデバイスに記録媒体を備え、データを保存するといったこともできる。SideShowデバイスとしては、リモコンやキーボード、携帯電話、携帯音楽プレーヤーなどさまざまな可能性が考えられている。

 ただしSideShowの普及には、有効な活用法の提案が不可欠。今回のコンテストの目的もまさにそれだ。コンテストを通じて、有望なアイデアの登場を狙っている。主催は組み込み向けプロセッサーを開発するフリースケール・セミコンダクタ・ジャパン。後援に名を連ねたのは、Vistaパソコンの盛り上げを狙うマイクロソフト、周辺機器の活性化につなげたいアイ・オー・データ機器、そしてパソコン/周辺機器の拡販を狙う九十九電機だ。この各社の代表者が、最終選考会で審査員を務めた。

 応募作品は全16作品で、最終選考に残ったのは6作品。最優秀賞を獲得したさいたんは、ユーザーがSideShowガジェットで辞書検索した語の情報をSideShowデバイスに送信、保存するアプリケーション。複数の語の検索履歴を保存しておけるため、外出時にもSideShowデバイスを使って辞書情報を確認できる。英単語など、繰り返して見たい語はSideShowデバイス内の「単語帳」に登録することも可能だ。

 辞書検索には、無償で公開されているWeb APIを利用。Web APIを取り替えるだけで、さまざまなサービスに対応できる応用性の高さが審査員に評価された。「教師のパソコンから、生徒が持っているデバイスに対して宿題を配布する、といった使い方もできるのではないか」(フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン 高橋恒雄社長)。

 マイクロソフト賞に選ばれたのは、高久直也氏が開発した「でんごんメモピー」。外出前などにパソコンから家族に向けたメッセージを残すと、冷蔵庫、電子レンジなどのSideShowデバイスの画面に表示される。パソコンを起動しなくてもメッセージが確認できること、メッセージを確認したことがメールで通知されるため、メッセージを残した人にも安心感があることなどがメリットだ。「日常生活の中での適用可能性が高い」(マイクロソフト Windows本部兼プラットフォーム戦略本部の大場章弘業務執行役員兼本部長)ことが評価された。

 アイ・オー・データ賞を受賞したのは……(次ページに続く)