NECは11月30日、携帯電話機上で動く自動翻訳ソフトを開発したと発表した。日本語の音声を認識して、それを英文に翻訳できる。日本語の語彙は5万語まで認識可能だ。日本語の発声終了から音声認識結果の表示までと、翻訳開始の指示から翻訳結果の表示までがそれぞれ1秒程度で処理できる。

 今回、音声認識エンジンを携帯電話機のCPUやROMなどに向けて最適化したことで「速度と精度を保ったまま、必要なリソースをPC翻訳ソフトの約半分に抑えた」(NEC広報)。翻訳エンジンもデータ構造の最適化、辞書内容の見直しなどにより「翻訳精度を保ったまま、辞書や実行系ファイルのサイズをPC翻訳ソフトの約半分に削減した」(同)。

 自動翻訳に使用する音声認識エンジンや翻訳エンジンには大きなCPUパワーが必要なため、従来はサーバーなどの外部機器を用いずに自動翻訳することが難しかった。今回NECが開発したソフトは、携帯電話機向けの小型CPUのみで動作する。

 NECは「携帯電話単体で、旅行会話をストレスなく自動翻訳することが技術的に可能になった」(NEC広報)としている。今後は、英語から日本語への自動翻訳を始め、ほかの言語への対応も検討していく。