ARPU上位5事業者と下位5事業者(Informaの資料を元に日経パソコン作成)
ARPU上位5事業者と下位5事業者(Informaの資料を元に日経パソコン作成)
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 英調査会社のInforma Telecoms & Mediaは2007年11月29日(英国時間)、全世界での携帯電話契約数が33億契約に達し、世界全体での普及率が5割に達したとみられると発表した。1981年に北欧で最初の携帯電話サービスが始まって以来、26年間かけての偉業達成となった。

 2007年9月末時点で携帯電話サービスを提供している国は224カ国。20年前の1987年は35カ国にすぎなかったが、10年前の1997年には192カ国まで拡大。その後も提供エリアを広げていることがうかがえる。全世界での人口カバー率は、2007年6月末時点で90%と推測している。
 ただしInforma社では、「携帯電話契約数が33億契約になったということは、必ずしも33億人が携帯電話を使っているということではない」と指摘する。成熟市場の中には、既に普及率が100%を超えているところ、すなわち1人で2契約以上という使い方が広がっているところもあるためだ。このため、「新興市場での携帯電話の普及により、今後さらに(契約数や普及率が)増加することが見込まれる」(Informa社)とする。

 こうした国ごとの普及率の開きは大きく、2007年9月末時点で59カ国が普及率100%超となっている一方、普及率が10%以下という国も27カ国あるという。

 成熟市場と新興市場の違いがさらに顕著に表れるのは1契約当たりの月間平均収入(ARPU)である。クウェートの携帯電話事業者であるZainを筆頭に、成熟市場のARPU上位5事業者は65~70米ドル前後と高い水準。一方、スリランカのHutchisonではARPUが2.83米ドルにとどまるなど、ARPU下位5事業者では3米ドル程度と、20倍以上の開きがある。