オンライン検索/広告大手の米Googleは,オンライン・ストレージ市場への参入を準備している。どうも米Microsoftのサービス「Windows Live SkyDrive」に対抗するつもりらしい。Googleが提供するサービスには「Platypus」や「My Stuff」という開発コード名が付いており,「GDrive」や「Google Drive」と呼ばれることもある。インターネット上に流れている複数の情報によると,数カ月以内に開始されるという。

 Googleがどのような価格体系を適用するのか不明だが,Webメール・サービス「Gmail」やオンライン写真保存サービス「PicasaWeb」と同様,基本な記憶容量のサービス・プランは無料で提供するに違いない。もちろん,このオンライン・ストレージ・サービスの料金は,すでにインターネットで調べられる。今のところ10Gバイトが年額20ドルで,同社のストレージ関連サービスをすべて集約できる。そのほかには,最大400Gバイトのプランも用意される。

 一方,MicrosoftはWindows Live SkyDriveのベータ提供を始めている。無料で利用できるが,現時点の記憶容量は最大1Gバイトだ。さらに,Microsoft Officeと連携可能な文書管理機能を持つオンライン・ストレージ・サービス「Office Live Workspace」のベータ版も準備中である(関連記事:Microsoft,「Exchange」「SharePoint」などの企業向けオンライン・サービス開始)。これらのサービスは,Microsoftがオンライン・サービス市場最大のライバルであるGoogleより先んじてWeb対応サービスをリリースできた,数少ない最近の例の一部だ。

 Microsoftのサービスは,Windowsのデスクトップと一体化し,標準的なWindowsのファイル・システム用アイコンを使うので,ローカル環境とオンライン・ストレージ間のファイル移動がドラッグ&ドロップだけで済む。この点でGoogleの新サービスを差別化できる。ユーザーになりそうな人々は,Windowsデスクトップ上でファイルをドラッグ&ドロップする操作に慣れている。こうしたユーザー・インタフェースの採用により,Windows Live SkyDriveは急速に普及する可能性がある。なお,Googleが,オンライン・ストレージ上のファイルにオフライン・アクセスできる同期機能を提供するかどうかは定かでない。